銀河帝国

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【WIZ】第六十二話「マスターサムライミフネ」

東方の島国、フソウには一人の剣士の伝説が伝わる。

天下一と称されたその剣士は、ニノ太刀要らずの一撃絶命剣撃にて荒らぶる鬼神蛮神を制し、フソウの国の開祖の一人となったとされている。

その名はミフネ。故に、以後フソウの国では天下一の剣士の称号として『ミフネ』の名が冠されるようになったといわれていた。

そのミフネを名乗る男が迷宮の地下五階にいる。

彼の本名をマサカド・カガミといい、いまヒトミ・ヤマカゼらの前に立ち塞がる。マサカドの実力はその称号にふさわしいものだった。

カン!

竹、というリルガミンでは見ることのない東方の植物で作られた移水の造作が甲高い音を立てあたりに響きわたる。そこは、迷宮の中とは思えない静謐な空間だった。澄んだ池のほとりにある石の上でサムライが目をつむりザゼンを組んでいる。

ダイトクが声をかけた。
「もし、そこのかた」

ヒトミがダイトクの横に飛び、小声で「ここは黙ってティルトウェイトじゃないのぉ?」と言うが、ダイトクは「いや、敵とは限らない。それにこちらには気づいている」と応じた。

サムライは石を目を開け降り、長い刀を抜く。
「我が名はミフネ…新たな主ワードナ様の修羅の役目、果たさせていただこう」

ほとんど音もなく、サムライ四人にニンジャ四人が現れミフネの前に立つ。

「ま、こーなるとは思ってたけどねー」
ヒトミが刃を抜くのと、ヤマカゼがティルトウェイトを唱え始めたのは同時だった。


しかし…ミフネは本当に強かった。


「なっ!!」

ヤマカゼのティルトウェイトとサラーフのロッドにより、サムライやニンジャの一団は初手で倒すことができた。が、ダイトク・ヒトミ・ヤマカゼの三人の剣はミフネに全く届かない。まるで、朧な陽炎を斬っているかのように。攻撃の魔法も、長刀の一閃で弾かれてしまう。

そしてミフネの振り下ろす唐竹割り。ダイトクはそれをがっちりと両手で受け止めたはずだったのだが、剣ごと身体ごと下に沈められ膝をつく。まるで巨大な鉄塊を打ち込まれたかのようだ。ダイトクはここまで重く厚い剣を知らない。そのまま兜にミフネの長刀が食い込みダイトクの石化が数瞬で終わる。

「いけない!」
サラーフが間をおかずマディを唱え治癒するが、ミフネは振り向きざまにヤマカゼの胴を打ち払い吹っ飛ばした。圧倒的な膂力である。

「ぐ…ぁ…」

ヤマカゼはそのまま壁に打ち付けられる。ヒトミはミフネを撹乱すべく上下左右に飛び回っていたがやはり強烈な一撃を受けてしまった。見合いに斬りつけたヒトミの刃のあとがパーティーの目を奪う。後衛のリエコは思わず剣を抜く。「すごい治癒能力…あんなの見たことない」

六人がいっときミフネとの距離を取る。

陽炎のごとく捉えがたいアーマークラス。特殊能力すら備える強烈な剣撃。無欠の魔法抵抗。半端ではない治癒能力。

「私に考えがあるわ」

ミホはヤマカゼになにごとか耳打ちする。

ヤマカゼの顔に笑みが蘇り、事実ミホのその戦法は成功するのだが…ミフネも速やかに戦法を代え、パーティーは再び窮地に陥る。


地上では、ゼフロスに代わりノエル・フラッグという人物がゴードンらの薦めにより新たな宰相となる。

ノエルが目にし直面したのは、小石ひとつ残っていないリルガミンの金庫であり宝物庫であり、ゼフロスにより周到に準備されていたために地下深くまで崩落し復旧容易ならぬ二ヶ所の城壁であり、見る間に水位を下げていくリルガミン外周を巡る湖であり、デメテルゆかりのカント寺院からの教会税(ゼフロスが女王不在の間に設置)撤回要求であり、ゴードンから朗らかに出された軍の予算復帰要求であり、ゼフロスによるサルファーンとの密貿易の発見とその終了報告であり、止めにはラクロアの離反及びサルファーンのラクロア入りの報告であった。

「やれやれ…」

仮面を脱いだ男は、さすがに苦笑したのだった。
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  1. 2010/06/30(水) 17:51:28|
  2. ワードナ
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【WIZ】第六十一話「女王の帰還」

午後のひととき。

多忙を極める政務に追われるリルガミン宰相、ゼフロス・フォルトゥーナは己の執務室で、伊達メガネを外しローズティーを楽しんでいた。

「すべてはうまく行っているようですね…」

独り、つぶやく。その視線の先には格子窓から見える夕暮れの町外れの一角があった。そこには迷宮の入り口がある。

女王不在の王国は、このゼフロスの手腕により保たれている現状である。様々な魔物や死霊どもが王国の各地方にはびこり、疫病や水害などの報告も絶えない。だが都であるリルガミンそのものは治安も税金も物価に食料の量なども、主として良好に保たれていた。ために各地方の人々はこのリルガミンに集まり始めている。死人たちの国となりつつあるサルファーンやロンバリア諸国からもリルガミンへと逃れてくる者は多かった。

扉が勢いよく開く。

「たいへんです!宰相様!」

「なにごとですか?」

駆け込んできた侍女にゼフロスは立ち上がりながら聞く。女王デメテルが狂魔王ツヴェドリにより誘拐された時と同じ侍女だ。

「女王様がご帰還です!」

「!」

ゼフロスが驚く間もなく、執務室に数人の護衛を伴い入ってきた。

「こ、これは陛下」

入ってくるなりデメテル(リリィ)はゼフロスをきっ、とにらみつけて指差し言い放つ。

「宰相ゼフロス!あなた、アークデーモンのマルゴーでしょう!!あなた、クビね!!」

前置き抜きのイキナリ発言に、場がついていけずにしん…となる。青い甲冑をまとった護衛のひとりがリリィのデメテルにツッコミを入れたそうにしているのだが、この状況で何と言おうか言っていいものか?本来、打ち合わせではマルゴーの正体をばらさないままで解任して追放する予定だったのだが。

ちょっと焦りながらもリリィのデメテルは続けた。

「さ、さあ早く出ていってちょうだい!」

それにゼフロスより先に応じたのは、さっきの侍女だった。

「いきなりそれはあんまりです!女王様!失礼ながら女王様がおられない間にゼフロス様がどれほどがんばってこられたか!」

「いいのです、ラシーナ」

最敬礼をしていたゼフロスが遮る。彼はゆっくりと口を開いた。デメテル護衛の剣士2人の手に力が入る。ラリアとウルフの2人とも、ゼフロスと指呼の間で剣の柄に手をかけていた。

「女王様のご命令とあればいつでもこの身は引きましょう。ですが…」ゼフロスが一瞬うつむいた。「大凍!」(マダルト!)

部屋に一気に緊張が走り、一面の壁がゼフロスの放った魔法により凍りつく。

「女王デメテルの名を騙る偽物め!明らかに口調も振る舞いも別の者であるぞ!」

魔法をこらえて剣を振るってきたラリアの刃をゼフロスは三度かわす。ウルフの方は、短刀を自在に使う侍女と互角の剣を交えていた。

「この女、できる…っ!」

「どうします?この後は」場の状況を見回し、扉を閉めて鍵を閉めながらローズがそばで身をかがめていたリリィに聞く。「やるっきゃないでしょう!?こうなっちゃったら!!」

ゼフロスは、ラリアの剣を余裕に避けながら新たに呪文を唱えている。並の魔術師にできることではない。

「このっ!させるか!!」

「不埒者め!!」

「「そこまでです!!」」

場に本物のデメテルの声が届く。

声の先、窓の外を見ると城の鐘楼の上にゴードンに伴われたデメテルがいた。

「「ゼフロス!まずはあなたに礼を言います。…私の留守の間、このリルガミンをよく治めてくれました。そして私が誘拐されるまでの短い治政をよく支え助けてくれました。深く礼を言います」」

この発言に、城の者たちが気づき始めた。リリィは人知れず身を隠す。

「「ですが、今のあなたにはいくつかの村人の消失の件や、ワードナ復活の件、先の王ツヴェドリが狂気に囚われるに至った件などに嫌疑があります。先の宮廷魔術師ポレヴィック・カースドールや解放された村人たちの証言があります」」

デメテルはここで一息空ける。城内外の多くの者が女王の帰還に希望の目を向けている。

「「これらは未だ嫌疑の段階ではありますが、王国をいままさに襲っている多くの苦難苦境に鑑み早急な対応が必要なものとし、私デメテル・リルガミンは国王の名において、嫌疑ある人物ゼフロス・フォルトゥーナを宰相の任から外すものといたします。これまでの私の代わりの務め、ありがとうございました」」

ゼフロスは窓先に歩み出る。

「「私こそ、礼を述べさせていただきます。女王様…核撃!!」」(ティルトウェイト!!)

デメテルに向けて巨大な爆球が放たれた。ゴードンがデメテルを庇うが、間に合わない。
そこに、爆球とデメテルらの間に現れて爆球をはね飛ばし、さらにもう一発の爆球を外に向けて放ったのはゼフロス…アークデーモン『マルゴー』そのものだった。爆球はそれぞれがリルガミンの外壁を崩壊させる。マルゴーはゴードンを片手で払うと、もう一方の手でデメテルの頬をなで、顔を寄せてささやくように言った。

「もはやワードナ様は誰にも止められはせん。全ては遅いのだデメテル?貴様は用済みなのだよ…生ける者は悪魔に、死せるものは死霊になりつつある…くっくっく…」

マルゴーの姿はぼやけていく。最後に見せた二つの角持つ異様なる姿は、温厚なゼフロスのそれでありつつも悪魔そのものであった。
  1. 2010/06/22(火) 21:45:18|
  2. ワードナ
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【WIZ】第六十話「初全滅」

閃光。

迷宮の中に似つかわしくないそのまばゆい光に、偉大なる魔術師ワードナは苦い顔をした。またどうせ、ロクでもないワナかなにかであろう。渋るしもべどもを半ば以上無理やりにおいやるが反応はない。「フン」渋々自らがおもむく。職業柄、好奇心は低くない方だ。

「ぬっ」

突如、ひとつだけに見えた浮かぶ閃光がふたつに分かれてこちらに飛び込んでくる!

「しもべども!ワシをまも…」

閃光から放たれる突然の核撃(ティルトウェイト)。

「がっ!か…」

こうなってしまえばしもべも何もない。衝撃のうちに急速に薄れゆく意識の中で、ワードナは一対の小手の姿を見た気がした。



目が醒める。

カンオケ…

「フン」

自らの墓所のようである。しもべたちは吹き飛ばされて形もない。棺から起きた大魔術師は、そのまま不機嫌を隠さずに起き上がった。

「こやつらを、連れて行くぞ」

心配そうにこちらを気遣うエネフィムにそう言う。その隣で恐縮しきっているアンドリューを見下ろして少し気持ちが静まってきた。

「なんじゃトンズラー?不満か」

あたりかまわず暴れ回っていたバブリースライムたちを追いかけ回し、転職の技を試していたトンズラーだけはなんともいえない渋い顔をしていた。

「いえ、不満てほどじゃねぇんでヤンスけど」

大量のバブリースライムらはいつの間にかワードナの周りに集まっている。

「最初のうちは、こんな奴らと一緒くたでゲェッて感じでヤンしたのに、いざとなると情が移ってるモンでやんしてねぇ。がんばれよぅ、バブいち!バブに!」

ワードナは魔物たちにそんな情を持ったことがない。しかしこの時は何故か、嫌な気はしなかった。



悪の魔術師ワードナは『バブリーズ』を引き連れて墓所を出る。彼を今回の戦いで初めて葬ったあの閃光は間違いなく聖具とかいうやつだろう。奴を倒せば封印のひとつは解けるのだろうが、それには自ら自身もしもべたちも強力でなくては不可能のようだ。如何にすべきだろうか。

歩を進める老魔法使いの足元に、ひとりの黒装束の人物が膝を立て頭を下げる。

「ワシに何か用か?」

「グラムと申します。以後お見知りおきを」

ララ・グラムは、王宮の地下に捕らわれていた人々を救う代わりにマルゴーの使いとなり闇の迷宮行商人となっていたのだった。
  1. 2010/06/15(火) 19:23:40|
  2. ワードナ
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【WIZ】第五十九話「冠」

リリィとウルフがケンカをしている。

「だから何でもっとみんなわたくしに敬意を払わないのよ!」

(ザシュ)

「敬意?冒険者仲間に払うべき敬意なら持っているさ!」

(ガキン!ガッ)

「そのようなものではなくってよ!?いまは!わたくしこそが唯一のリルガミン王国の王位継承者だとい、い、言ってるざます!わよ!!」

(ガルルル…ガッ)

まだリリィは上流の『お言葉』に慣れていない。

「だからどうやってそれを証明できるって言うんだ!?第一、王族だってのがそんなに大層なことなのかよ!」

(ザン!!…バタッ)

「王様が偉くなくて誰が偉いの?言ってみてくださる?」

(ギン!!…バタッ)

小声でなにか吐き捨てながら目の前の剣士を倒したウルフは、そのままの剣幕でリリィに詰め寄った。リリィもにらみ返す。

「じゃあなんでここにいる?ダンジョンで冒険者なんかをしているんだよ?」

あたりの敵はもはや皆倒れている。

「本当にわからないの?」

リリィはウルフの頬をひっぱたいた。

だが、何故ウルフは自分がひっぱたかれたかこの時はわからなかったし、当のリリィすら自覚していなかった。

ノースアは黙って視線をラリアに向ける。

「青春だねー」

他人事のように言うラリアに、サーファは不安を感じるのだった。


そのまま彼らは占いばばのところに行く。リリィとデメテルは髪の色を除いてはまさにうり二つであり、本人たちを含めてそれは驚きをもって迎えられた。

冒険者たちの報告がデメテルにもたらされる。

「そんな…ゼフロスが…でも今のわたくしに何ができるというのでしょうか?」

「そんなやつくびにしちゃえばいいんじゃないの?デメテル姉さん」

リリィの明るい声が響き、それを聞いたウルフはかすかにうつむく。


この頃地上では、サルファーン軍がなぜか旧フェールエン領から撤退したためにガイシルトらは旧領の解放に成功し、リルガミン軍も凱旋帰還していのだった。

そして、なぜかガイシルトは周囲の勧めを頑として断り続け、フェールエンのかんむりを戴冠せずにいたのだった。
  1. 2010/06/15(火) 19:20:02|
  2. ワードナ
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泣けてしまった

自民党支持者でありながら、辞任前の鳩山さんに最近の自民党首相三代の無念を重ねていた三浦介、紹介されていたサイトの記事に泣けてしまいました。あまりのことに以下全文転載します。ホントは許可とらないといけないのでしょうが…


2010年06月05日

総理辞任に想う


始めて総理にお会いしたのが、昨年の12月でした。


●鳩山総理とお会いしました
http://bit.ly/872iFQ

以前より官邸で定期的にお話させて頂いていた松井孝治内閣官房副長官にお引き合わせ頂き、寄付税制改革(税額控除)についてお話させて頂きました。

総理はきさくな雰囲気で、同行していたNPOカタリバの今村久美女史が、「総理こっち、こっち」と携帯に付いたカメラを手に持って迫っても、僕たちと並んで撮ってくれるような方でした。「お前ら一国の総理に対して非常識だ」と国内最大のNGO、ピースウィンズジャパン代表の大西さんに、僕までとばっちりで怒られましたが。

その後総理はご自身が所信表明演説で訴えた通り、市民が自ら当事者として社会を担っていく、新しい公共の実現に向けて、現場を回られたいと仰られました。

官邸より相談を頂いたので、例えばということで
アフラックペアレンツハウスや
http://bit.ly/6ANfxN

マドレボニータを紹介したところ、
http://bit.ly/ddBSOD

実際にそうした現場に行き、行政では行えない社会サービスを行っている方々の話に耳を傾けられました。

その後、お任せ民主主義を脱し、自ら行動する市民社会を創るために「新しい公共」円卓会議を発足。通常は官僚の皆さんが全て取り仕切る事務局に、僕は民間スタッフとして参加させてもらうことになりました。非常勤国家公務員ということで、期限付きですがパートの官僚になり、妙な気分でした。

そしてこの新しい公共円卓会議は、憲政史上初めて、その政策形成プロセスをインターネットで全公開する、という取り組みを行いました。

●憲政史上初の「審議会ダダ漏れ」
http://bit.ly/bDXQ32

これまで密室の中で議論していた政策に、多くの国民が参加することこそ、新しい公共にふさわしい、という松井内閣官房副長官のアイディアでした。
僕やNPOカタリバの大学生ボランティアが中継を行い、多くの人が視聴して下さいました。

円卓会議では様々な重要なテーマが提起されましたが、その中心には寄付税制改革(税額控除)がありました。ある問題が起きても、政府はすぐに対処することはできません。制度化となれば、何年も掛る。その間に誰かがその新しい問題に対処しなくてはいけない。そんな時に、欧米のように寄付が集まれば、国民が自律的に、かつ迅速に社会問題に対応できるだろう、と。
その障害になっているのが、寄付をめぐる様々なわずらわしい法的制約でした。それを取っ払って、国民が寄付をし、あるいは寄付を集め、自らの地域の課題を、迅速に自ら解決していくような社会を創っていくためには、寄付税制改革は避けては通れなかったのです。

税収を減らしたくない財務省の消極的な対応に対し、総理は何度もリーダーシップを取り、あの手この手で改革を命じました。
その結果、最終的な方向性を明示する「新しい公共円卓宣言」では、「税額控除」が歴史上初めてはっきりと公式資料に明記されることになりました。

こうした攻防戦を行って何とか成果を勝ち取っていく一方で、政治と金、普天間の問題でメディアの集中砲火を受け、総理の支持率は徐々に失われていきました。成果は新聞には載らず、外国の新聞で自国の代表が揶揄されたことが、嬉しそうに掻き立てられました。

そして総理の突然の辞任を、インターネットのニュースサイトにて知りました。
これまで新しい公共円卓会議で話しあってきた諸々の改革策は、これでパーになってしまうのか、と暗澹とした気分でいたところ、内閣府からメールが来ました。

辞任会見の翌々日、新総理が選ばれる直前である4日の朝8時半~、最後の円卓会議をします、という通知でした。
審議会が朝の8時半~、というのは異例中の異例です。
聞くところによると、自身が総理である最後の時間を使って、何とか新しい公共宣言に署名し、実効力を持たせたい、ということだったそうです。
せっかくこれまで議論してきた諸々の改革策を、このまま流産させてしまってはいけない、という執念に似た思いを、僕は感じざるを得ませんでした。

たった25分の会議では、総理への感謝の言葉が委員から語られました。
その間に、僕は非常勤国家公務員の辞任願にサインをしていました。
拍手と共に、宣言は署名されました。

総理は最後に委員一人一人と握手をしました。
僕は後ろの席でその姿を見ていたら、内閣府政務官である泉健太議員が「行かないの?」と近寄ってきて下さいました。「いや、恐れ多いので」と断ると「何行ってんだ、行こう」と背中を押して、総理のところまで連れて行ってくれました。

総理は僕の目の前まで来て、僕の手を取り、「ありがとうございました」と深く礼をされました。

そしてどこかから起こった拍手を背に、官邸大会議室を出て行かれました。

僕は自分が何もできなかったことに唇を噛みながら、彼の背中が見えなくなるまで、小さく拍手を続けました。

そして思ったのです。もはやボールは政治ではなく、我々にこそ投げられている。
政治家や官僚を叩きながら確実に腐っていく我が国の中で、僕は今日から自らの行いによって、半径1メートルの中で1ミリでも社会を変えていこう、と。

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当記事はNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹の個人的な著述です。
PCサイト http://www.florence.or.jp/
携帯サイト http://www.florence.or.jp/m/index.htm

  1. 2010/06/08(火) 03:08:51|
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【外交】三浦介の反反米論

反米論者はよく見かける。

彼らに常に問いたいこの一問。

『勝算ありや?』

ないなら戦前軍部と同じに見える。
  1. 2010/06/06(日) 12:56:09|
  2. 外交
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【WIZ】第五十八話「修道院」

地上深夜、リルガミン。

カント寺院の奥に併設された修道院の一角が、突如として鳴り響いた轟音と共に紅蓮の炎を上げて燃え上がった。

「んん?なにかしたか?」
寝ぼけ眼でむっくりと起きたのはレオンである。ギルガメッシュの酒場にある仮設宿舎で寝起きしている。となりで寝ていたはずのレパードは、すでに素早い動きで装備を整えはじめていた。レオンもそれを見て表情を変えると、少しもがきながらレパードへと聞いた。

「一体、なんなのだ?この騒ぎは」

「わからねぇよ。でもあの火はカント寺院の方からだ、だとするとヴァイオレットがあぶねぇ」

レオンのスピードが三倍にあがる。


悲鳴がこだまする。その末尾はくぐもった濁音となり突然に打ち切られた。

紅き炎に照らし出された、暗紅き禍々しき姿。悪魔。山羊に似た頭、四本の腕。

そしてそのそばには、何体かの翼持つ小鬼たち。悪童のそれに聞こえたくもない下卑た笑い声。

「ウギョエァー♪」

燃え崩れさった外壁から、彼ら異形の悪魔たちが修道院の中へと侵入していた。

「ここまでです!」

立ち塞がったのはヴァイオレット。彼女は修道院にて寝食をしていた。慣れない戦棍を振るいインプの一匹を追い散らかす。

「お逃げくださいませ、女王様!」

「ヴァイオレット!」

「早く!」

ゼフロスから修道院にかくまわれていたデメテルを逃がしてヴァイオレットはたったひとり簡素な寝間着のまま精一杯の戦いを続ける。だがそこに二体のレッサーデーモンが凶悪な影を現した。八本の手が構えを取り、黒い火珠が生み出される。肩に膝にとインプどもに組み憑かれたヴァイオレットは、もはや成すすべがなかった。

ゴウッ

覚悟して体をこわばらせる。だが火炎(マハリト)の魔法はヴァイオレットのは身体を焼くことはなかった。見ると、一体のデーモンがよろめき倒れてもう一体の詠唱をも止めていた。皆が月明かりの方を見る。

「大丈夫!?ヴァイオレットさん!!」

討伐(バディアル)の魔法を放ったのはシアだった。

「マッタク、一人で戦おうなんて無茶だよっ!」
シアと共に駆けつけたアンディが一気に走り込み、ヴァイオレットに取り付いたインプどもをはがす。見るとレオンやレパードも悪魔たちとの戦いを始めていた。

「ありがとうございます!…レオン!レオン!」

涙が止まらない。ヴァイオレットはもう、自分の命はないものとついさっきまで思っていたのだ。

「大丈夫じゃ、む!」

「レオン!デメテルさまが!!」

インプらに手間取るうちに、デーモンたちが跳躍してデメテルを追っていた。

「表門の方にはガルとツバキがいっておるが」

「でも、彼女たちは!?」

「うん、レッサーデーモンを相手にするには厳しいな。ここを頼むぞ!」

レオンは赤い悪魔を追う。魔法抵抗の能力を持つ悪魔に対抗しうる戦士は、この中ではレオンが一番だろう。


正門。修道女たちが逃げていく。その中にデメテルの姿はない。

(グムム…)

「うっう…」

デメテルは悪魔の一匹により捕まっていた。首筋を掴まれ宙に上げられていた。

「さっせぇるか!」

ツバキは思い切り刃をふりおろす。ガキィン!!その刃は儚く砕け散る。

「えっ」

蒼黒き畏怖の姿。グレーターデーモン。その魔神はツバキの方をちらりと振り向くと、わずかに口を開いて見せたかと思うと後はツバキの存在を無視するか、あるいはわざと見せつけるかのように宙のデメテルをおもちゃの人形であるかのように弄びはじめた。

「そんな!嫌だ!!嫌だ!!させるかぁっ!」

折れた刃でのツバキの乱切りを蚊ほどにも気にしていない。だが、ふと魔神の動きが止まる。女王を放り捨てると、ゆっくりと振り向き咆哮をした。

「く…」

滝のように全身を流れ落ちる汗。ツバキは不覚にも折れた刃を握ったまま、自ら動く方法を忘れてしまう。

シュシュシュ…

さらに咆哮。

ツバキは、上位魔神に何本かの矢が飛び刺さるのを目にした。そしてすぐにガル・レオンの二人が両側から現れツバキを助けたのを感じた。

「デ、デメテル様は?魔神は?」

ガルがまず答える。
「正規軍がちょうどフェールエンから帰還したようだ。ゴードン卿たちならばそうそうあれにもひけはとらないだろう」

もうひとつの質問にはレオンが答えた。
「デメテル様の方も心配いらん。われわれの中でも一番頼りになる者たちがついている」


暗闇の中、デメテルは手を引かれる。

「あの、あ、あの…」

姿を隠すようにと、デメテルを育ててくれたシスターからは厳しく言われている。手ひく手は優しく暖かく、悪魔ではなさそうだがそれでも敵か味方かはわからない。

そこに飛び現れる二体のレッサーデーモン。

「ちぇいっ!」
「えーい!」

一行の先頭を走っていた二人の小さな女の子により、間もなくレッサーデーモンの一体の首が飛び、もう一体は袈裟斬りにされて瞬時に倒れる。

「えっ」

驚くデメテル。

「大丈夫ですよ、デメテルさま。貴女は死なない。私たちが護るから」

リエコ・カースドールの目には光が蘇っていた。
  1. 2010/06/02(水) 02:17:22|
  2. ワードナ
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【WIZ】第五十七話「失われし命の」

『ここはどこだ…』

(暗い)

『わたしは何者か…』

(苦しい)

『なんのためにここにいるのか…』

(闇)

一瞬か、あるいは永劫の時が過ぎた。

(王)

『そうだ…私は…余は王たるもの…』

ゆっくりと、しかし確実に、次第に妙な形で鮮明に思い出す。余の名はトレボー。壮大なる夢を断たれた復讐の念にて現世に踏みどどまりし覇なる王。

『どこだ…あやつは…ワードナーの奴めは…!?』

闇は、姿なく蠢きだした。



地下一階、占い婆のテント。

「ヒッヒ、こりゃ千客万来だねぇ♪」

ヤマカゼやヒトミらの冒険者たち、そしてエルがここを訪れていた。質問は主に聖具に関すること。だが婆は小手の場所を占うとあとはまともに答えようとはしなかった。

「解くも解かないも。(よいしょっと)間違いじゃあないよ。こうなった以上は避けられないこともあるさねぇ。…ちょっと見てないで手伝っとくれよ。植えた茄子の収穫どきでねぇ。こういうものはタイミングが大事でねぇ、タイミングが。ああ、食べてみるかい?なぁに、飛び上がったりゃしないよ。ヒッヒッヒ」

迷宮でも茄子は育つらしい。ミホだけは頑として動くことを拒否したが、ヤマカゼなどはじつに楽しそうに収穫を手伝い始める。

その中で、サラーフがエルに尋ねる。

「復活したデメテル様をかくまうとしたら、どこが一番安全でしょうか?」

「安全…国内外に地上地下、全て魔で満ち溢れていますので、さて…しいて言えば…ここかもしれません」

冗談とも本気ともつかない答えだが、サラーフはそれをエルの本心と受けとめた。この正体不明の男がそれほどまでに信頼をよせるこの占い婆さんは一体何者なのだろうか。こそっとテントに入ろうとしたヒトミが婆に帯を引っ張られ「あ~れ~☆」とか言っている。残念なことにその下は薄い鎖かたびらだ。(そういえばいまこのパーティーは全員が女だ。エル以外は)

「…私のテントが一番安全?そうさねぇ、リリィちゃんとデメテルちゃんを2人とも連れてきなよ。分かたれた魂を戻してあげられるかもしれないよぉ?」

「分かたれた魂?」

ミホが歩みを進める。ポレの唯一の実娘であるリエコ・カースドールは先に倒した父ポレから正式に家督を譲られたのだが、はっきり言って未だ正気を回復してなさそうなのでミホが後見人にも任じられた。ツヴェドリの時代にリルガミン王国の主要な貴族はカースドールを除き殺し尽くされている。迷宮にてひと財産築きあげれば名門カースドール復活となる。ミホは燃えていた。リエコは茄子に頬擦りしていた。

「天界人界地界を分かつ閉ざされし三軸の門。それぞれを護る三界のゲートキーパー。ニルダ様の巫女の血を引くひまりとデメテル…二人じゃ足りなかったんだよねぇ…それでデルフとマルゴーは生け贄をもうひとり増やそうとしたのさ。自ら命を断ったアキ・カースドールの代わりをね。それがリリィ。リリィ・リルガミンさ」

母の名を耳にし、リエコの動きが止まった。

「ツカサ・ミツルギ。イイ男はみんなしんじゃうよねぇ。あの優男の剣士が命と引き換えに不死王たちの野望を一度は打ち砕いて世界を救ったことなんて、地上で何人が知ってるだろうねぇ…」

婆さんは、おもむろにおせんべいを焼きはじめた。
  1. 2010/06/02(水) 02:14:50|
  2. ワードナ
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