銀河帝国

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【WIZ】第四十四話「剣士たち」

地下一階、六枚翼の龍のレリーフの部屋。

ラリア・ソラ・トール・アンディ・シア・リンの六人はこの部屋で、地下四階で手に入れたドリームペインターの羽が使えないか試しにきていた。この迷宮にはまだ謎めいたところがたくさんある。思わせ振りなだけでなにもないかもしれないし、なにもなさそうでいてなにかあるのかもしれない。財宝が出てくるかもしれないし、凶悪なトラップかもしれない。好奇心旺盛なリンでなくてもこのスリルを楽しいと思わないタイプの者はなかなか冒険者になろうとは思わないだろう。まずトールとソラが話し合いながら羽を掲げたり振ったりしたがなにも起こらない。次にリンがそれを見かねて奪いとるように念を込めるが、やはりなにも起こらなかった。

「ここじゃあないみたいだね」

ソラの脳裏には占いババとエルのことが浮かんでいた。善のパーティーには50G、悪の属性を含むパーティーは100Gで「探し物」のある場所を占ってくれる老婆。そして迷宮内の情報を売ってくれるというエル。二人をうまく活用していくことが大切になるのかもしれない。そんなことを考えていたら、ふと目に入ったラリアにごく自然にこんな言葉が出た。

「ラリアさん、手合わせ願えませんか?」

ソラは少し自分でも驚いた。だがラリアの答えは明快なものだった。

「いいよ。やろう!」

二人はそれぞれに刃を抜く。


対峙。

だが浅いとはいえ迷宮の中である。長い時間はかけられない。フソウで幼い頃に習った独特の歩法で一気に間合いを詰め下段払いを入れる。ギン!ギリギリ…
ラリアは半歩半身を下げその剣撃を受け止めた。

(ラリア兄、本気だ)

昔から弟分だったアンディは感じた。あの目は凶大なモンスターと戦うときのそれと、若干の冷静さを帯びてはいるが気迫では変わりない。あの目は昔から変わらない。そこにトールが近づき小さく話しかけてきた。

(ソラのやつも本気だぜ?あの飛び込み下段は父親に教わった対重剣士用の得意技なんだ。なあ、賭けようぜ?俺はソラ、お前はラリアでいいか?)

ソラが左右から素早く長剣を振りラリアの構えを崩しにかかるが、ラリアは冷静に体を引きながら受け流す。

(当然。レベルが違うよ)
ラリアが狙い澄ましたように脳天から強烈な一撃を降り下ろす。ソラはかろうじて受け止め、振り払う。冷や汗が流れた。

(どーかな?お前の兄貴分は我流か、我流の弟子だろ?しかもこれまで相手はモンスターばっか。ソラはフソウで武士の剣術を修めてるんだぜ?)

つばぜり合いになる。ラリアがまず楽しくて仕方ないという表情を見せ、ソラも気づいて少しうなづいた。押し返してから突きを入れるがかわされる。

(そりゃあ…でもトール、そんなことよりどうなの?)

(何が?)

(リンって、どっちの彼女?)

(ぶっ!)

トールが吹き出したのは二人の剣士にも聞こえた風だが、集中はとぎれない。今のところ力ではラリア、技と手数ではソラが勝っているようだ。

(ねえねえリン)

エルフ娘二人もひそひそ話を始める。

(なんです?)

(それでどーなのよ?)

ソラの横薙ぎをかわし、ラリアが詰め振りかぶるがソラは正眼に戻っていて打ち込めない。ゆっくりとラリアも構えを戻し再び対峙する。剣術試合のような声は出さない。迷宮であることは忘れていない。

(どーなのよって…ここまでは互角じゃ…)

(そんなんじゃなくて!アンタが好きなのはソラなの?トールなの?両方!?)

(え)

今度はラリアから攻め立てる。多少の隙も構わずに乱撃を続けて放った。さっきまでの受けの姿勢から変わった戦い方にソラはわずかに戸惑うが、そろそろ終わりにしようというシグナルを受けとる。ソラにしても望む所だった。剣が交差し火花が上がる。

(そ、そういうシアさんはどうなんですか!?ラリアさんとアンディと)

(私はダメね人間なんか。先に死んじゃうし。サーファがどう考えてるかは知らないけど。それよりリン、あなたはどーするのー♪)

ソラが最後の技を放つ。まずは下段のフェイント。

(わ、わたしは…)

続けて、流れるような動きで中上段の肩口に突きを入れる!

(トール、かな…)

ラリアもその一撃を紙一重でかわし袈裟斬りを…という瞬間に、先ほど倒したバブリースライムの死骸に足をとられる!

((((((あっ!!))))))

ザクッ

ソラの剣が、足を滑らせたラリアの首筋に食い込む。

ラ、ラリアさん!!

慌てるソラたち。だが僧侶であるシアが癒しの魔法をかける前に、ラリアの荷物から舞ったドリームペインターの羽がまばゆい光を放った。その光はすぐに止み、見るとラリアの傷が完全にふさがっている。

「良かった…大丈夫ですか、ラリアさん」

「ああ。俺の負けだな、ソラ。またやろうぜ」

「いえ、あそこでアクシデントがなければ僕が負けていました」

二人の剣士はラリアの無傷がわかった後で握手をする。

(ソラはトールと違って女の子に、私に興味がないみたいだから)

そのちょっとさみしげな言葉がリンの口から出ることはついになかった。
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  1. 2010/02/23(火) 19:35:57|
  2. ワードナ
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