銀河帝国

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【WIZ】第四十六話「ララ=グラム」

「果たし状、ね…」

エルはいつもの道化の姿ではなく、まっとうな商人のいでたちでリルガミン騎士団の訓練場を訪れていた。むろん素顔である。仮面の下はこれといってあまり特徴のない、しかし涼やかな青年の顔をしていた。髪は白銀の短髪である。

「ごめんくださ~い、エル商店の者ですがー」

門番に続いて担当の兵士が現れ応対する。特に怪しまれるようなこともなく、中に通されてその事務役と話をした。

途中、訓練の広場が閑散としているのが目に入る。どうやら騎士団長のゴードンも、最近ゴードンに客将として受け入れられたらしいガイシルトももはやフェールエンに出陣していて留守であるらしい。ガイシルトのそばにいるはずのララ=グラムに、果たし状への対応が遅れたことを謝罪しにきたエルのあては外れてしまった。やむを得ず、留守番兵とのいくつかの物品の取引を成立させて訓練場を後にする。少し前にゴードンはほとんど裸一貫で亡命してきたガイシルトのための装備をエルに依頼し、これにエルが見事に応えてゴードンを喜ばせている。言うまでもないことだが、“ぼったくる商店”を嫌う者は多い。当初エルもゴードンに嫌われていたようだが、どうもその辺に理由があったようだ。

「さて…では急ぎますよ、(ピー)君」

もしかすると、まだララ=グラムがラム・ナーシュの泉でエルのことを待ち続いている可能性があった。


地下四階。

宙に浮く赤いされこうべたち。ドレインの能力を持つアンデッドモンスターのスクライルたちである。
ヤマカゼがまず素早く塵化(マカニト)を唱えるが効果がない。その後乱戦の中、絶妙のタイミングで放たれたヤマカゼの大凍(マダルト)が決まり勝負が決した。その戦いが終わるや否や、ダイトクが無言のままアンドリューに近寄り胸ぐらをつかむ。

「…貴様、どういうつもりだ」

エネフィムらが止める間もない。先の戦い同様、アンドリューは最後尾で腕組みしたまま動かなかったのだ。ダイトクも、女性化したサラーフさえも必死に前衛でドレインの恐怖のあるがいこつの噛みつきを避けていた。

「不満かね?帰り道をお忘れか。魔力を尽きさせる訳にはいかんだろう」

「…貴様!」

「ダイトク!」

サラーフが止める。「待ってくださいダイトク…アンドリューさんの判断は間違っていません。現に誰も命を落としていません。それに、酸の沼で命を落とした我々をカント寺院へと運んでくれたのもアンドリューさんたちではないですか」

ヤマカゼが心配そうな顔をしている。ダイトクはしぶしぶながら手を話した。

アンドリューは襟を直しながら言う。

「ふう…じゃが、ここにワシを連れてきたのは正解じゃな。ほれ、あの銅の扉」

全員がそちらの方を見た。昇降機で地下四階に降りた先にあった銀の扉と同じ重層な造りである。方角的には、同じエリアに繋がるはずだった。

「狂魔王とやらはあの先じゃよ。間違いない。まがまがしい強大な魔力がしよる…肩書きは伊達ではないようじゃ」

その瞬間、アンドリューのそばで宝箱の罠を外していたトンズラーが思わずまた口にする。

「あっ」

あたりは一瞬にして煙に包まれてしまった。


ラム・ナーシュの泉。

やはり、グラムは待っていた。黒を基調とした装備。しかし今回は桃色の髪も隠さず、道化でもなく騎士のそれに近いスタイルである。

「申し訳ありません。長らく待たせてしまいましたか?」

グラムは黙って首を横に振り、刃を抜いた。

「問答無用、という訳でしょうか?ここではあまり戦いたくないのですが…ガイシルトさんの方はどうしたのです?玉の輿にのるチャンス…」

鋭くグラムの刃が飛ぶ。

エルは瞬時に近くの木の枝の上へと跳躍していた。そのまま高さを利用した打撃が得意技ではあるが、少し様子を見る。

「さて、刃を捨てるとは?どうも、戦いをおのぞみではないようですね…やれやれ…昔からご婦人の考えだけはわかりません…」

降りて近寄る。グラムはその場から一歩も動いていない。そのまましばらくたち、ようやくグラムは口を開いた。

「ガイシルトとの契約は終わった。キサマを倒すのに奴の力を借りられればと考えたが、そのあても潰れた。そして」

その後はエルが続けた。

「ボルタック商店も潰れた、と」

グラムは悔しげな表情を浮かべつつうなづいた。エル自身もついさっき聞いた話である。軍との取引先がエル商店に変わったのが決定打らしい。全ての業務はエル商店が引き継ぐことになっている。

「せめて依頼金を返そうと思ったが、依頼主は夜逃げした後だった。私は彼を探そうと思う」

「今から依頼を果たそうとは考えないのですか?」

キッ、とした視線を向けられる。しかしこれはエルの自信というより素朴な疑問を言ってみただけだった。

「…そう簡単にできるものなら、やっている…」

グラムはエルに背を向ける。だがそれから動かない。

「それで、他にワタシに用は?」

「デルフが生きている」

「む?」

「エルフには気をつけろ」

「むむ?」

「銀の翼の砦を焼いたのはルサルカではなくおそらくは…奴だ」

グラムは去っていく。デルフ?エルフ?言い間違い聞き間違いだったらどうしよう。エルは(ピー)君に確認を取ったが、トカゲはまたも肩をすくめるばかりだった。
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  1. 2010/03/10(水) 03:32:35|
  2. ワードナ
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