銀河帝国

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【WIZ】第四十八話「いしのなかにいる?」

フェールエンは暗黒の時代が訪れていた。

自然の現象なのか強大な魔力によるものか、低く黒めく曇天はもはや二週間近くにもなる。その下で蠢くのは人と言わず獣と言わず、あらゆる生き物のアンデッドだった。廃墟の闇に半身の昆虫が片羽で飛び、腐敗した犬がくぐもった声で吠える。この世のものとも思えぬ凄惨な状況は、不死王デルフが起こした黒山脈の戦役当時と酷似していた。

「ここも、駄目か」

廃屋の木戸を開けたガイシルトが沈んだ声で言う。隣にいたゴードンはガイシルトの肩に手をやるがかける言葉も見当たらない。

険しい山道を抜けフェールエンの北部より侵入したリルガミンの軍勢は、サルファーン軍に会敵することなくただいくつかの廃墟廃村を越えたに過ぎなかった。否、戦ったのは敵国の軍隊でなくまばらなアンデッドの群れたちだけだった。あるいはあの人々がもしや…ガイシルトだけでなくリルガミン軍の表情も浮かない。狂魔王が姿を消してからというもの、軍の装備や消耗品の質も低下する一方なのをなんとかゴードンが支えている状況が続いていた。今回の遠征もガイシルトの案内により行軍自体は順調だったが、補給の質は良くない。ゴードンはエル商店に期待を寄せていて、そんな彼にガイシルトは自分がエル・フラック本人から暗殺されかかったとは言えなかった。

フェールエンの空はまだ晴れない。

しかし、北部に残ったフェールエンの主要都市カロスの攻囲をリルガミン軍が奇襲して解きサルファーンを北部フェールエンより引かせることに成功すると、希望を失いかけていたこの地の人びとや残兵たちの眼に再び光が蘇った。

顔についた泥をぬぐわぬまま城壁の修復作業の指揮をしているガイシルトに伝令が報告に来る。

「かがり火を増やせ!見張りを怠るな!」

ガイシルトは報告を聞くと、ゴードンの元へと踵を返す。

サルファーンの聖帝を操り、死兵たちを使って今回の戦争を起こしている者の名が、「デルフィ師」という人物であることが捕虜から知れたのだった。



一方、リルガミンの町外れにある封印の迷宮地下四階。

ダイトクは、アンドリューのことを見直していた。彼は手に取った魔法の指輪に施された素晴らしい細工に惚れ込み目を見はる。魔力を察知できない自分でもこの存在感を重く受け止める。アンドリューが指した魔法障壁を越えた所にそれはあったのだ。本人も全く正直に喜んでいる。

「だから言ったであろう?ワシを連れてきたのは正解じゃと。フン」

無造作にアンドリューはトンズラーの方に手を伸ばす。だがトンズラーはきょとんとしている。

「なにをしておるかこのウスノロめ!さっさとニンジンをよこさんか!」

「へ?あのニンジンならさっきぜんぶ食べちまったでヤンスよ?」

その部屋の四方は、冷たい石の壁に囲まれていた。
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  1. 2010/03/23(火) 21:21:30|
  2. ワードナ
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