銀河帝国

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【WIZ】第五十話「狂魔王の最後、そして…」

強烈な腐臭。ルサルカの部屋の臭いがまだ生易しく感じられる。だが冒険者たちに鼻を覆っている余裕はない。

銅の扉を開けたアンドリュー・サラーフらがまず目にしたものは、その強烈な腐臭の主である巨大な竜の死骸であった。その足元には人のものとは思えない無数の大きな骨で組まれた玉座が暗闇にあり、蒼黒き鎧を纏った王が衛兵に囲まれ屹立していた。そのそばでは女王デメテルらしき人物が鎖に繋がれている。

腐竜が異様な声で咆哮する。否応なしに殺し合いは始まっていた。まずは狂魔王が己の手による陰符を放つ。

「ひれ伏すがいい…不遜なる冒険者たちよ!」

そのツヴェドリの言葉に重ねてヤマカゼが塵化(マカニト)を敵の全体にかけるが全く効果がない。陰符により現れたのは醜怪にして巨漢なるオークロードのようだ。ふさわしい大振りの剣をかざしてにたりと笑う。

「どけ小僧」

かわいらしい女の子になったヤマカゼをどかしたアンドリューが瞬時に呪文を完成させる。前衛同士の斬り合いも始まっていた。

「壊呪」(ジルワン)

ブレスを半ば吹きかけていたドラゴンゾンビがほとんどなにをするでもなく崩れ去る。アンドリューは、ヤマカゼのことを一瞥もせずに言う。

「しっかりと見ておくがいい…魔法とは、こう使うのじゃ」

横でサラーフとトンズラーが呼吸を合わせる。

「ここは出し惜しみはナシでヤンスね」
「ええ」

二人がそれぞれ指輪による召喚を行い、スクライルとジャイアントマンティスがオークロードへと立ち向かっていく。

激戦はまだ始まったばかりだ。


舞台を移し、北部フェールエン。

一人の男が山道を歩いている。その名は、エル。
彼はゴードン・ガイシルトらの元へエル商店の補給物資を届けんとしていた。彼の持つ魔法の品、ブラックボックスはこのような時にこそ役立つのかもしれない。

影。

「反則じゃあありませんかぁ?それ」

「失礼ですが、どちら様でしょうか?」

いきなり話しかけてきた謎の存在。エルは全く気配を感じとれなかった。ただ者ではない。

「お忘れかなぁ?キミを大地にくくりつけた者を?いや、キミはもともと大地にくくりつけられた存在だったかなぁ?くっくっく」

変な奴だ。とエルは思う。
「何用ですか?」

「ツヴェドリは死んだよ」

病的に白い頬。唇からはみ出る鋭い牙。虚ろな瞳。

「そして我が主が蘇る。我々の復讐が始まるのさぁ…待ってなよ?キミもだぁ…くくっ」

影が片腕を上げる。茂み深く、林道の左右にて補給隊を襲うように伏せていたサルファーン兵が撤退を始めていく。

気がつかなかった。エルは額の冷や汗に気づく。これは記憶にないことだ。

影も消えていた。

「ヴァンパイアロード…デルフ」

トランプを胸にしまいながら、エルは真顔で呟いていた。


決戦に話を戻す。

衛兵の一団はヤマカゼ・アンドリューの大凍(マダルト)により一掃され、ツヴェドリがさらに呼び出したアークメイジまでもがヤマカゼの大凍に即座に絶命する。その後はダイトク・エネフィム・トンズラーが三人で王を囲み斬りつけ、さらに魔術師二人が続けざまに大凍を浴びせる。しかしツヴェドリは回転刃の短ハルバードのようなものを持ち出し強靭に抵抗を続ける。

ヤマカゼが膝をつく。

「魔法がつきちゃった…」

そのまま昏倒する。魔法が尽きただけでなく、オークロードの奪命(マバディ)を受けてしまっていた。ジャイアントマンティスの攻撃は大振りである。

「意外にやるのぅ」

アンドリューはその言葉と裏腹にさらに大凍を放つ。そして遂に狂魔王に最後の時が訪れた。

「…むん!」

ダイトクの一撃。まともに袈裟斬りが決まった。

「ふふふ…でかしたぞ強き冒険者たちよ…それでこそ呪いに逆らいこの迷宮に篭った価値もあったというものだ…まもなく地獄の封印が解ける…ワードナに呪われしこの身に代わり聖具らを守り…ワードナの復讐を阻止してくれ…ぐぁぁぁあ!」

「中ボスふぜいがやかましいわ。おとなしくワシに従っておれば良かったものをムダな抵抗をしおって」

アンドリューがさらに放った火球によりツヴェドリの体は砕け散り、さらに鎖に繋がれていたデメテルはエネフィムが斬り捨ててしまう。女王は小さな悲鳴を上げて息絶えた。

「なっ」

さしものサラーフにもとっさには反応できない。ダイトクも剣を構え直すのがせいいっぱいだった。ヤマカゼは倒れたまま、トンズラーはニタニタ笑っている。

「聞いての通り、ワシの復活を阻むいまいましいまじないの一つトレボー王家の血の封印はいま解ける。フン、ツヴェドリめ手間取らせおって。残る聖具の封印と魔方陣の封印とやらもすぐに解いてみせるわい」

若いアンドリューの姿に、強大な威厳を持つ老魔術師の姿が重なり現れ始める。そしてエネフィム・トンズラーら三人の身体が薄く歪んでいく。

「サラーフよ。ワシ…このワードナと共に来ぬか?かわいがってやるが」

サラーフは首を振る。

「フン、惜しいのう。人であろうが魔であろうが不死者であろうが…例え神であろうがこのワシに逆らうモノ全てがワシの前に平伏すであろう。…まあ余興としてはなかなかに楽しめたぞ、ではまた会おう冒険者たちよ。今度は…敵としてな」

アンドリュー、いや蘇った悪の大魔術師ワードナの姿は迷宮の奥底へと消えた。
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  1. 2010/04/07(水) 12:07:04|
  2. ワードナ
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