銀河帝国

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【WIZ】第五十一話「ワードナの逆襲」

そして、地下迷宮の最下層。ワードナの墓所。

三人の若者が、大魔術師ワードナの前にひざまづいていた。

「まあ、楽にせい。堅苦しいのは嫌いじゃしワシは別に王候貴族ではないしのう」

そう言われ立ち上がったのはアンドリュー、エネフィム、トンズラーの三人である。

「どうじゃアンドリュー元の身体は?ひょろひょろで頼りなかったが、ワシがしっかり鍛えておいたぞ」

「はっ、みなぎる魔力を感じます」

「うむ。貴様がワシの護符を見つけ、その魔道の研究により偶然ながらもワシの精神を目覚めさせてくれた礼、それで返すぞ。若い身体というのもなかなかに楽しかったしのぅ♪この後はせいぜいワシの助手として尽くすがよいぞ、うまくすればこの世の望みなどたいていは叶おう。まあ、貴様がワシの役に立てればじゃがな」

今や心身が一つとなった若君没落貴族、アンドリュー・ボルサムは改めてこうべを垂れる。

次は、エネフィム・カガミである。

「さてエネフィムよ。貴様にはこれを授けよう。いやなに、ツヴェドリのやつめからついさっき拾ったものじゃが」

回転刃の短いハルバード。いわゆる『カシナートの剣』である。長いが柄は確かに剣のそれであった。

「はっ、かたじけのう存じます」

「うむ。それで…トンズラーよ」

「へい」

「貴様にはこれじゃ」

妙な形の短刀をワードナは渡す。だがトンズラーの方は複雑な表情をしていた。
「なんじゃその顔は」

「いやあ…」

「ん?」

「そんなことよりあっしらはその…人類の敵になっちまったんで?」

情けなそうな顔に情けなそうな声で言う。冒険の途中でアンドリューがワードナの乗り移った姿だと知り、なにやらうまくすれば大きな儲け話らしいとついてきたトンズラーは、他の二人ほど腰は座っていなかった。

「人類?大げさじゃのう。ワシが人類だ世界だを滅ぼすとでも言うのか?」

ワードナにしてみれば冗談を言ったつもりなのだろうが、誰にもそれはわからない。笑いようもない。

「フン。ワシはただ、ワシの邪魔をする者が邪魔だというだけじゃよ。トレボーのうつけめが余計なことをしたのがそもそも悪いのじゃ。ワシが仕えてあれこれしてやった恩も忘れおってからに」

ぐちぐち言っているワードナの背後に、二人の影が現れた。

「うん、来たか。手駒が少ないことじゃ、貴様ら三人はここを守っておれ。ポレやルサルカと同じ呪いをかけておくからこの部屋から決して出るなよ。地上への道はこのワシ自らが切り開く」

アンドリューらにそう言うと、ワードナは二人の影へと向き直った。

「久しいな。どうじゃ?進んでおるかデルフよ」

「万事順調でぇございますぅ♪」

一つの影は、いまさっき北フェールエンでエルの前に現れたあの影である。ヴァンパイアロードデルフの望みは生者と不死者の対等な世界であった。あるいは、不死者こそが上位の存在であるとしており、彼が今事実上君臨しているサルファーンは徐々にそうなりつつある。

「うむ。そっちはどうじゃ?マルゴーよ。つかめたか」

「ワードナ様アミュレットの他、あと二つの鍵を集めることが必要なようでございます」

貴族らしき美麗な風貌だが、その長い銀髪から突き出た二本の角が人外の魔であることを見る者に知らしめる。人々は彼のことをアークデーモンと呼ぶ。極めて上位の悪魔である。いくつもの名のひとつであるマルゴーというのが彼とワードナとの間では使われていた。彼の望みは、人界と魔界を繋ぐ「地獄の門」を開くことであった。

「そうか。あまり進んでおらぬな…む」

進もうとしたワードナはしかし、思いがけずかすかによろける。手のひらを広げ魔力を確かめ、厳しい目つきとなった。

「封印がまだ完全に解けておらぬとはいえ…苦々しいほどの力しかないのぅ…トレボーのやつめの血の封印だけでも解けたとは思えぬな」

「??それはぁ…まさか」
「なんじゃ?」

「ワタシがあのぅ…黒山脈でワードナ様の封印の研究のためにデメテルから作った義理の娘が…まだトレボーの血の封印のひとつとしてわずかぁ~に残っていたりするのかも…いやまさか…ですけどねぇ…」

ワードナはデルフをにらむ。

「なんじゃと!?その娘の名は!」


そのちょうど同じころ、地下三階の回転床の近くで若い魔法使いがくしゃみをしていた。

この一人の女の子の生死がエセルナート世界の、そしてリルガミン王国の未来を左右する最も重要な鍵であるとは、未だ地上の誰もが知らなかった。
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  1. 2010/04/09(金) 21:41:50|
  2. ワードナ
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