銀河帝国

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【WIZ】第五十三話「狂王の試練場」

リルガミン王宮。
主を失ったその建物は暗く、そして静かだった。

沈鬱。

ソラ・トール・リンの三人の冒険者はその中をやはり静かに歩いていく。

ほとんど行き交う人を見かけない。ツヴェドリやデメテル他、リルガミンの王族は絶えてしまった訳なのだがさらに言えば狂魔王の統治時代にそれにつらなる大貴族らも根絶やしにされてしまっていたのだ。一日二日では貴族は増えようもない。ましてやサルファーンによるロンバリア侵攻と破竹の快進撃が伝えられてはなおさらである。止めがワードナの復活である。

ソラが宰相ゼフロス・フォルトゥーナの執務室の扉を叩く。中から、(どうぞ)という澄んだ声がした。(失礼いたします)

簡単に自己紹介を済ませ、ゼフロスが席を勧めて本題に入る。リンがゼフロスの妹であるということを門番からゼフロスに確認してもらって通してもらえたのだが、意外にも感動の再開といった場面はなかった。(久しぶりだね、リン)(はい、お兄様もお元気そうで)
その物言いが、トールにはなんとなく反発を覚えさせる。だが今は優先すべき問題があることは確かだった。

女王デメテルをなぜ蘇生させないのか。

ゼフロスの答えはこうだった。

「黒山脈の戦役を覚えていますか?不死王デルフらにより蘇生された死者たちが…次々と各地でアンデッド化していったあの地獄の戦いを」

「まさか…女王さまもアンデッド化するかもしれないと言うのですか?」

蘇生された冒険者も数多くいる。

「いえ。あの戦いの主に前期にアンデッド化したのは、カント寺院ではなく偽ニルダ教徒による悪質な妖術によるものでした。私自身は問題はないと考えています。しかし、カント寺院自体がそういった理由で蘇生の秘術を拒否しているのです」

黒山脈の戦役を起こしたデルフとソラ・トールとは因縁がある。トールの幼なじみであるひまりはデルフにより生け贄に捧げられ、ソラの剣の師はデルフその人と壮絶な戦いをして命を落としている。さらに言えば、深手を負いながらも勝ったデルフに止めを刺したのは若きソラだった。あのデルフの驚きと歓喜の入り交じった異様な最後の表情は忘れようもない。

「それではお兄様、ワードナの封印についてお聞きします」

ゼフロスはリンの方を向き、ゆっくりと頷き口を開く。
「かつて、このリルガミンには世界征服を企むトレボーという王がいました。その征服欲の犠牲となった者たちからは、狂王トレボーと呼ばれていました。ワードナとは、その片腕の宮廷魔術師兼軍師であり、二人の間には長い蜜月期間がありました。富国強兵世界征服を企むトレボーにとりワードナはとても役に立つ存在であり…ワードナとしても、自らの魔道の研究にとりトレボーの横暴なまでの権力は便利なものだったのでしょう」

「その後、リルガミン王国はラクロア・フェールエンを征服し、ダリア諸国の過半、ロンバリア諸国の一部まで版図をとします。そのあたりで、狂王トレボーが、世界征服のために最も欠けているもの…すなわち最大の敵は自らの「老い」であることに気づき、腹心ワードナに解決を命令したのです」

『生ける書庫』と言われたゼフロスは揚々と続ける。

「命じられたワードナが見つけ出した答えが、絶大な魔力を持つ『神々のアミュレット』を利用するというものでした。すぐに大捜索が行われて、ほどなくアミュレットは見つけ出されます。しかしながらすぐにはワードナにさえも使いこなせませず、ためにこの時得意の絶頂にあったトレボーはワードナを強く面罵したと言われています。その後ワードナはアミュレットと共に迷宮深くへと姿を消し…冒険者たちが集められ狂王の試練場へと向けられます…」

王宮の者が時限を告げる。ゼフロスは片手を軽く上げて応じ、最後まで続けた。

「その冒険者たちによりワードナは倒され…『アミュレット』そのものは奪回することに成功したトレボーでしたが、その使い方を知るワードナがいないため不老不死になれず、逆にワードナは不死の秘術を完成させていたのかいかなる方法で倒しても蘇ったそうです。怒った狂王はワードナに『三重の封印』を施しました。ダイヤモンドの騎士がまとっていたとされる聖具の封印、魔方陣による封印、そしてトレボー自らに化した血の封印です」

ゼフロスは席を立つ。

「また、おいでなさい」

三人は王宮を退出して、ギルガメッシュの酒場に戻った。そしてゼフロスの言葉についてソラとトールが話し合いを始める。だがその横でリンは一人押し黙ったままだった。

「どうしたの?」

ソラの言葉に、上の空でリンが呟いた。

「あの人、まるでお兄ちゃんじゃないみたい…お兄ちゃんはもっと…もっと…」
突然胸の中に飛び込んで泣き出したリンに、ソラはどうしていいかわからなかった。
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  1. 2010/05/05(水) 20:49:44|
  2. ワードナ
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