銀河帝国

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【WIZ】第五十五話「地獄」

ソラたちはなおもデメテル蘇生の可能性について調べ続けている。

訪れたのはカント寺院。

対応に出た僧侶に対して、リン・フォルトゥーナが宰相ゼフロス・フォルトゥーナの妹であると言ってしまったとたんに、それまで気弱げだった僧の態度が固くなってしまった。

「なにも話すことはありません。お引き取りください」

一国の王位にあったものの扱いにしては不自然極まりない。葬儀も行われておらず、国王不在でその後継者すら定かでないこのリルガミンの街は息を潜め嵐の過ぎ去るを待つかのように静かだった。人々は不安な顔立ちを隠せない。

ソラは率直に問いを続ける。

「本当のことを言って下さい。お願いします!」

僧はしかしだまって首を横に振るばかりだった。だが次の瞬間、ソラたち三人
の前でその若き僧侶は血相を変え慌て町へと走り出してしまった。

「えっ?」

冒険者たちにはなにが起こったのかわからない。その僧に声をかけられた、やはり冒険者のリリィにもそれは言えることだった。

「このような所でなにをしているのですか!?早く修道院にお帰りなさい!」

「はぁ?」

リリィがワケわからないという表情をしたところで、どうやら僧は己がリリィを別人と勘違いしたことに気づいたらしく謝るのもほどほどに寺院の奥へと姿を消してしまった。

「リリィ、さん?」

リンが声をかける。リリィはローズと2人ずれだった。

「今の、何?…ってそれどころじゃないか」

リリィはあまり僧やソラたちを気にせずにローズと行ってしまおうとする。

「ちょっ、待てよ!」

トールが腕をつかむと、リリィはそれを払いのけて言う。

「ついてくるなら好きにして。でも急いでるから」

ツンとした態度である。ソラたちは早足でついていきながら話を聞くことにした。

「エル商店で買い物してたらね、いたのよ」

「いたって誰が?」

ローズは前方を指差す。博物館にひとりの人影が入っていくのが見えた。

「グラムです」

五人はそのまま、博物館の関係者以外立ち入り禁止の階段を降りていく。



降りた先を長く歩いて、行き止まり。

そのどことなく迷宮の中を思い出させる光景に、ララ=グラムは立っていた。

なにやら小さく唱えているが、うまくいかなかったのか肩を落としている。

五人は階段の少し上で息を潜めていたのだが、ソラがゆっくりと降りてグラムに声をかけた。

「グラムさん、こんにちは。ここで何をしているのです?」

「…ここはリルガミンの王族専用の抜け道だ。リルガミン王宮の地下に繋がっているという」

「なぜ、抜け道を?」

「…宰相ゼフロス・フォルトゥーナについてのよからぬ噂についての真相を探るためだ。だが奴めなかなか尻尾を出さぬ」

「どうやってここを知ったのです?」

「途中で一ヶ所分かれ道があっただろう。あれは旧ボルタック商店に繋がっている。ボルタックに雇われた際に知ったのだ…」

グラムはうらめしそうに開かない石壁を振り返る。黒いローブに身を包んでいるが、鮮やかな桃色の髪はやはり彼女独特のものだ。独り言を呟くかのようにグラムは言葉を続ける。

「リルガミン全土で…あるいはフェールエンで、ひとつの村に住む人々がまるごと消えている。私が調べた限りでは、それらの人々はこの先に捕らえられていった可能性がある。だが王族の血を引いているか、それに認められた証を持っていないとここは通れないようだ。リルガミンとフェールエンの血の交配をも考えたが…」

もはや練達の盗賊であるトール・ローズが調べてみるも打つ手がない。

「ふーん、王族ねー」

リリィが何の気なしに壁を蹴っ飛ばすと、その壁はパッと消えてしまった。

リリィに驚きの視線が集まる。

「あー私ーリルガミンの王族だったんだー?は、はは」

リリィは冗談を言ったつもりだったのだが、とにもかくにも七人は進んでいく。

そして、その先では無数のデーモンたちが人間の女たちを犯し、無理やり悪魔を産ませているという地獄が眼下に広がっていた。

その中央にいるのは、宰相ゼフロス。否、あの禍々しい二本の角はエルフのものではない。グラムがリンに言った。

「あれは君のゼフロスではない。‘根こそぎに奪う者'アークデーモンのマルゴーだ。君の兄は既に彼に喰われたのだろう」

「嫌、嫌ぁぁぁああっ!」

様々な姿をしたデーモンたちが一斉にこちらを向く。

「核撃!!」(ティルトウェイト!!)

マルゴーにより間をおかずに放たれた最強の呪文。いつの間にか七人目として一行に混じっていたエルが転移の魔法でパーティーを救うが、その出入口は崩れさっていくのが最後に見えた光景だった。
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  1. 2010/05/12(水) 17:15:50|
  2. ワードナ
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