銀河帝国

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【WIZ】第五十七話「失われし命の」

『ここはどこだ…』

(暗い)

『わたしは何者か…』

(苦しい)

『なんのためにここにいるのか…』

(闇)

一瞬か、あるいは永劫の時が過ぎた。

(王)

『そうだ…私は…余は王たるもの…』

ゆっくりと、しかし確実に、次第に妙な形で鮮明に思い出す。余の名はトレボー。壮大なる夢を断たれた復讐の念にて現世に踏みどどまりし覇なる王。

『どこだ…あやつは…ワードナーの奴めは…!?』

闇は、姿なく蠢きだした。



地下一階、占い婆のテント。

「ヒッヒ、こりゃ千客万来だねぇ♪」

ヤマカゼやヒトミらの冒険者たち、そしてエルがここを訪れていた。質問は主に聖具に関すること。だが婆は小手の場所を占うとあとはまともに答えようとはしなかった。

「解くも解かないも。(よいしょっと)間違いじゃあないよ。こうなった以上は避けられないこともあるさねぇ。…ちょっと見てないで手伝っとくれよ。植えた茄子の収穫どきでねぇ。こういうものはタイミングが大事でねぇ、タイミングが。ああ、食べてみるかい?なぁに、飛び上がったりゃしないよ。ヒッヒッヒ」

迷宮でも茄子は育つらしい。ミホだけは頑として動くことを拒否したが、ヤマカゼなどはじつに楽しそうに収穫を手伝い始める。

その中で、サラーフがエルに尋ねる。

「復活したデメテル様をかくまうとしたら、どこが一番安全でしょうか?」

「安全…国内外に地上地下、全て魔で満ち溢れていますので、さて…しいて言えば…ここかもしれません」

冗談とも本気ともつかない答えだが、サラーフはそれをエルの本心と受けとめた。この正体不明の男がそれほどまでに信頼をよせるこの占い婆さんは一体何者なのだろうか。こそっとテントに入ろうとしたヒトミが婆に帯を引っ張られ「あ~れ~☆」とか言っている。残念なことにその下は薄い鎖かたびらだ。(そういえばいまこのパーティーは全員が女だ。エル以外は)

「…私のテントが一番安全?そうさねぇ、リリィちゃんとデメテルちゃんを2人とも連れてきなよ。分かたれた魂を戻してあげられるかもしれないよぉ?」

「分かたれた魂?」

ミホが歩みを進める。ポレの唯一の実娘であるリエコ・カースドールは先に倒した父ポレから正式に家督を譲られたのだが、はっきり言って未だ正気を回復してなさそうなのでミホが後見人にも任じられた。ツヴェドリの時代にリルガミン王国の主要な貴族はカースドールを除き殺し尽くされている。迷宮にてひと財産築きあげれば名門カースドール復活となる。ミホは燃えていた。リエコは茄子に頬擦りしていた。

「天界人界地界を分かつ閉ざされし三軸の門。それぞれを護る三界のゲートキーパー。ニルダ様の巫女の血を引くひまりとデメテル…二人じゃ足りなかったんだよねぇ…それでデルフとマルゴーは生け贄をもうひとり増やそうとしたのさ。自ら命を断ったアキ・カースドールの代わりをね。それがリリィ。リリィ・リルガミンさ」

母の名を耳にし、リエコの動きが止まった。

「ツカサ・ミツルギ。イイ男はみんなしんじゃうよねぇ。あの優男の剣士が命と引き換えに不死王たちの野望を一度は打ち砕いて世界を救ったことなんて、地上で何人が知ってるだろうねぇ…」

婆さんは、おもむろにおせんべいを焼きはじめた。
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  1. 2010/06/02(水) 02:14:50|
  2. ワードナ
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