銀河帝国

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【WIZ】第六十一話「女王の帰還」

午後のひととき。

多忙を極める政務に追われるリルガミン宰相、ゼフロス・フォルトゥーナは己の執務室で、伊達メガネを外しローズティーを楽しんでいた。

「すべてはうまく行っているようですね…」

独り、つぶやく。その視線の先には格子窓から見える夕暮れの町外れの一角があった。そこには迷宮の入り口がある。

女王不在の王国は、このゼフロスの手腕により保たれている現状である。様々な魔物や死霊どもが王国の各地方にはびこり、疫病や水害などの報告も絶えない。だが都であるリルガミンそのものは治安も税金も物価に食料の量なども、主として良好に保たれていた。ために各地方の人々はこのリルガミンに集まり始めている。死人たちの国となりつつあるサルファーンやロンバリア諸国からもリルガミンへと逃れてくる者は多かった。

扉が勢いよく開く。

「たいへんです!宰相様!」

「なにごとですか?」

駆け込んできた侍女にゼフロスは立ち上がりながら聞く。女王デメテルが狂魔王ツヴェドリにより誘拐された時と同じ侍女だ。

「女王様がご帰還です!」

「!」

ゼフロスが驚く間もなく、執務室に数人の護衛を伴い入ってきた。

「こ、これは陛下」

入ってくるなりデメテル(リリィ)はゼフロスをきっ、とにらみつけて指差し言い放つ。

「宰相ゼフロス!あなた、アークデーモンのマルゴーでしょう!!あなた、クビね!!」

前置き抜きのイキナリ発言に、場がついていけずにしん…となる。青い甲冑をまとった護衛のひとりがリリィのデメテルにツッコミを入れたそうにしているのだが、この状況で何と言おうか言っていいものか?本来、打ち合わせではマルゴーの正体をばらさないままで解任して追放する予定だったのだが。

ちょっと焦りながらもリリィのデメテルは続けた。

「さ、さあ早く出ていってちょうだい!」

それにゼフロスより先に応じたのは、さっきの侍女だった。

「いきなりそれはあんまりです!女王様!失礼ながら女王様がおられない間にゼフロス様がどれほどがんばってこられたか!」

「いいのです、ラシーナ」

最敬礼をしていたゼフロスが遮る。彼はゆっくりと口を開いた。デメテル護衛の剣士2人の手に力が入る。ラリアとウルフの2人とも、ゼフロスと指呼の間で剣の柄に手をかけていた。

「女王様のご命令とあればいつでもこの身は引きましょう。ですが…」ゼフロスが一瞬うつむいた。「大凍!」(マダルト!)

部屋に一気に緊張が走り、一面の壁がゼフロスの放った魔法により凍りつく。

「女王デメテルの名を騙る偽物め!明らかに口調も振る舞いも別の者であるぞ!」

魔法をこらえて剣を振るってきたラリアの刃をゼフロスは三度かわす。ウルフの方は、短刀を自在に使う侍女と互角の剣を交えていた。

「この女、できる…っ!」

「どうします?この後は」場の状況を見回し、扉を閉めて鍵を閉めながらローズがそばで身をかがめていたリリィに聞く。「やるっきゃないでしょう!?こうなっちゃったら!!」

ゼフロスは、ラリアの剣を余裕に避けながら新たに呪文を唱えている。並の魔術師にできることではない。

「このっ!させるか!!」

「不埒者め!!」

「「そこまでです!!」」

場に本物のデメテルの声が届く。

声の先、窓の外を見ると城の鐘楼の上にゴードンに伴われたデメテルがいた。

「「ゼフロス!まずはあなたに礼を言います。…私の留守の間、このリルガミンをよく治めてくれました。そして私が誘拐されるまでの短い治政をよく支え助けてくれました。深く礼を言います」」

この発言に、城の者たちが気づき始めた。リリィは人知れず身を隠す。

「「ですが、今のあなたにはいくつかの村人の消失の件や、ワードナ復活の件、先の王ツヴェドリが狂気に囚われるに至った件などに嫌疑があります。先の宮廷魔術師ポレヴィック・カースドールや解放された村人たちの証言があります」」

デメテルはここで一息空ける。城内外の多くの者が女王の帰還に希望の目を向けている。

「「これらは未だ嫌疑の段階ではありますが、王国をいままさに襲っている多くの苦難苦境に鑑み早急な対応が必要なものとし、私デメテル・リルガミンは国王の名において、嫌疑ある人物ゼフロス・フォルトゥーナを宰相の任から外すものといたします。これまでの私の代わりの務め、ありがとうございました」」

ゼフロスは窓先に歩み出る。

「「私こそ、礼を述べさせていただきます。女王様…核撃!!」」(ティルトウェイト!!)

デメテルに向けて巨大な爆球が放たれた。ゴードンがデメテルを庇うが、間に合わない。
そこに、爆球とデメテルらの間に現れて爆球をはね飛ばし、さらにもう一発の爆球を外に向けて放ったのはゼフロス…アークデーモン『マルゴー』そのものだった。爆球はそれぞれがリルガミンの外壁を崩壊させる。マルゴーはゴードンを片手で払うと、もう一方の手でデメテルの頬をなで、顔を寄せてささやくように言った。

「もはやワードナ様は誰にも止められはせん。全ては遅いのだデメテル?貴様は用済みなのだよ…生ける者は悪魔に、死せるものは死霊になりつつある…くっくっく…」

マルゴーの姿はぼやけていく。最後に見せた二つの角持つ異様なる姿は、温厚なゼフロスのそれでありつつも悪魔そのものであった。
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  1. 2010/06/22(火) 21:45:18|
  2. ワードナ
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