銀河帝国

mixiのコミュニティで運営中の自作無料ゲーム「ガンダムディプロマシー」とiPhoneアプリ「銀河帝国」のページです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

【WIZ】第六十七話「発見」

暗闇のなか、どこからか亡霊の声が聞こえてきた。

(ワードナ…どこにいる……復讐はこの手にある……)

ソラはその声に向かい大声で言う。

「あなたの探してる人はもっと下の階層にいます!」
静寂。

だが冒険者たちの一行は、周囲の温度がなにかに包まれるように下がったのを感じる。背筋に、原初の恐怖が訪れた。冒険者たちが幾度となく戦ってきたアンデッドモンスターらとは異質のそれ。冷たさを増す空気と殺意。加わる視線。肌が震えた。

「ここに集いし面々は皆ワードナを敵とするものばかりです、ワードナへの復讐ならば手をお貸ししますが?」

サラーフが冷静に、しかし彼女にしては声を上げてはっきりと伝えた。

【…控えよ…】

「は?」

続く亡霊の声に、唯一あまりなにも感じていないかのようにしているのはヤマカゼだ。

【…リルガミンの王たる余の前であるぞ…!】

依然として姿は見えないが、威厳のある老いた声が地の底を震わすかのように低く響く。一行は、サラーフが目配せしラリアがうなづくと、片膝をついた。庶出のデメテルやゼフロス(悪魔だった訳だが)は気さくな統治者だったが、この亡霊はそうはいかないようだ。

狂王トレボーの亡霊。

暗闇に蠢く怨念である。

【役たたずの冒険者…か…下と申しおったな…下…おぉ…地獄の門…奴を引きずりこんでやろうぞ…!】

冷気が引いていく。

後に残されたなかで口を開いたのはサーファだった。

「まさか…地獄の門がこの下にあるの?ワードナのそばに…」

「サーファ知ってるの?」
聞いたのはリンである。

「知ってるもなにも…リンは魔法使いの師匠さまから教わらなかったの?そんなの開けたら…地獄の悪魔たちが、亡者たちが溢れ出してしまう…」

気のせいか、下から裏切りの三姉妹の悲鳴が聞こえた気がした。


地上、リルガミン。

場末の酒場。

ひとりのおっさんが飲んだくれていた。

「けっ、どうせもう何もかもオシマイなんだよぅ!宰相は悪魔で?女王様はまた誘拐されて?ワードナが蘇り?サルファーンが迫ってる?無茶苦茶じゃねーか!」

「諦めるのはいかんな!」

近くで麦酒をあおっていたレオンが抗議する。

「我ら冒険者がワードナめは必ず打ち倒す。戦争なんぞはいつもどこかしらやっとるではないか!」

「そうですな、レオン殿の言う通り!」

その隣でやはり麦酒をやっていた老人がカン高い声を上げた。

「いかなる時でも希望を失ってはいけません!そうですな、ドワーフのかた」

「そう!そう!気が合いますなぁ!私はレオンと申す」

「私はまぁ、『ろく』とでも」

「てやんでぇ!二人してわかったようなこと言いやがって」

「わかったようなこととは何ぞ!地下迷宮の恐ろしさなぞそなたにわかりはしまい!!」

「まあまあ…そう熱くならずに。どうです一杯」

小柄な老人はうまい具合に二人を席に座らせ、美人のウェイトレスに新しく酒を頼むとその後ろ姿のおしりをゆっくり目で追いニンマリと笑った。

「ひとつ、賭けをしましょう。私は生まれつき賭けごとが大好きでしてね。悪しき勢力が破れ、世界が平和を取り戻す方に10G」

「なに言ってやがる、ワードナだサルファーンに賭けたら、おいら勝っても命がねぇよ」

「それはそうですな。いやそれはこのワシがやらせんが」

「うーむ、弱りましたね…ですが、こんな世の中でもまだまだ捨てたものではありませんよ。神さまは時として我々に試練を与えます。しかし自ら助けるものにはきっと助けを与えてくださいます…ああ、肉が来ましたよ。さめないうちにいただきましょう♪」

三人はほどなく歓談に移る。レオンはそのなかで、ふと思ったことを老人に聞いてみた。

「しかし『ろく』さん。いきなり神さまについて説くとは、まるで僧侶のようですなぁ」

「私が僧侶?はは、そう見えますかな」

三人に後ろから声がかかる。

「マンフレッティ六世教皇猊下、お探ししましたよ」

新宰相ノエルである。

「あ…バレましたか。もう少し行方不明でいようかと思っていましたのに」

レオンがびっくりしている。飲んだくれていた方は酔いつぶれている。「レオン殿、またお会いしましょう」深々と礼をし、マンフレッティはノエルと共に馬車で王宮へと向かう。

「お話は聞いていますよ、ノエル殿。色々と大変なご様子ですね」

「猊下にあらせられましては…ずいぶんお楽しみでしたようで」

二人は静かに笑う。

「はは…戒律はそれほどのことはないのです。大切なのは、カドルト様への信仰であり…人々を助け愛すことなのです。ノエル殿、リルガミンの貧民窟を見て周りました。諸国から流民が集まり、疫病の気配がありますな。応急措置はしておきましたが、城にわずかばかり私がロンバリアで集めた財宝を納めますゆえにこれをお使い下さい」

ノエルは驚いた。マンフレッティといえばカント寺院教団の頂点であり、金銭的強欲の権化であるという噂も流れていたからだ。だがノエルはさらに驚くことになる。

「…しかし…驚きましたよ。宰相ノエル…行商人エル…エル…ケブレス様。大地の守護者様がこの地を加護されているとは」

「なんの…記憶もないのですがね。黒山脈の戦役の際に不死王らにより不完全に召喚され、そのまま呪われてしまったようです」

馬の歩く音が響く。
スポンサーサイト
  1. 2010/08/22(日) 10:31:49|
  2. ワードナ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<【WIZ】第六十八話「扉」 | ホーム | 【WIZ】第六十六話「ソラの告白」>>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://foxfire8731.blog119.fc2.com/tb.php/1050-eaa21f30
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。