銀河帝国

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【WIZ】第七十七話「地平線」

地平線が、黒く染まり始める。

「きっ、来たぞーっ!」

慌てて叫ぶ見張り兵の動揺は、瞬く間にリルガミン全都へと広がった。東から、西から、北から。果て限りないかのように群れ増えていくサルファーンの悪しき軍勢。そのあまりの量に、迎撃の体制をとっていたゴードン・ヴィルトゥも判断を変えて籠城が決まる。

しかし、この、敵の量。

如何に数えれば良いのか。リルガミンを守る三重の城壁や鐘楼らに身構える諸国兵らは一様に衝撃を受けた。敵軍には、もはや人より人でないものの方が明らかに多いのだ。ゾンビやゴブリン、異様な獣たちに赤き悪魔、蠢く植物…ハーピーのけたたましい哄笑がフェールエンの歩哨をからかう。

黒き群れは未だ増え続け、地平線の色を変えていく。

地神ニルダがひき割かれた地リルガミン。堕神ムフーズが封ぜられた地リルガミン。人々は、熱心に神に祈りを捧げるのだった。


地下六階。大魔術師ワードナは不機嫌だった。冒険者どもにまた討たれたのだから当然であり、今度は気の効いた出迎えもない。彼はすぐに部屋を出てある場所へと向かった。

「ここにおったか」

「ワードナ様ぁっ☆」

ヒトミ・カースドールがワードナへと駆け寄り抱きつく。ワードナは一瞬無愛想のままでいようとしたが、すぐに破顔しヒトミをよしよしと撫で始める。

「ワードナ様ぁん☆ヒトミにまた歓びをお与えくださいまし♪」

「フン、働き次第だな」

「えーっ!」

プンスカやっているが気にしない。ワードナはニヤリと笑うと真顔に戻り、膝まづくリエコとミホの方へと足を進めた。

「ワードナ様、ご機嫌うるわしゅう」

「うるわしくなどないわ」
「はっ!申し訳ありません」

深々と頭を下げるミホにワードナは少し溜飲を下げる。そう、ワシは不死なのだ。焦る必要もないと言える。

「ラリア・ダイトク・ヤマカゼ・サラーフ。このいまいましい四人をなんとかせねばならん」

「その四人ならば…回復要員の不足が弱みかと」

「うむ」

そういえばこのような助言をする者はしもべにはいなかった。

「また、盗賊忍者の類いがおりません。通常ならばあまり強力でないそれを加え連れてくる必要があるでしょう」

「ワシのしもべはどいつもこいつもあてにならぬ…ついてくるがよい。ソーンの娘らよ」

「はっ」

「必ず…お役に立ちましょう…」

立ち上がるリエコの髪をワードナはおもむろに弄ぶ。

「ワードナ様ぁっ?」

背後で駄々をこねるヒトミの前で、配下として役に立つ自信を持ち始めたミホの前で、ワードナは戯れにリエコの唇を奪ってみせるのだった。

無表情のままであったリエコの頬が赤みを帯び瞳が静やかに蕩けていく。

「いくら生きても、生きることに退屈などはせぬな」

魔道に取りつかれたひとりの男は、いままた魔術を繰り再び地上への歩みを進め始めた。
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  1. 2013/04/23(火) 18:46:09|
  2. ワードナ
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