銀河帝国

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【WIZ】第七十八話「狂王の遺産」

そして、なんの予告も前触れもなく、リルガミンへの攻撃が日没とともに始まった。

シュッシュッシュシュシュシュ…

リルガミン本来の城壁や湖堀の外側に新たに設けられた外胸壁の周囲に無数の火矢が雨となり降り注ぐ。エセルナート連合もすぐさまに射ち返し、なめし革などで防火加工されている櫓などにそれでも刺さった火を消す。

「かがり火を増やせ!!こちらも火矢を射ち返すのだ!!このままでは狙いがつけられないぞ!」

リルガミンにフェールエン、ダリアにロンバリア。各国の兵士がそれぞれに担当した区域を受け持つ。戦意は高い。

ドォーーン!!

「何事だ!」

最前線、馬上にあるのは『万力』ゴードン。陣営に響き渡るような重く強い音がし、それが続いた。兵士の報告を待つまでもなくわかる。サルファーン軍の投石である。大きい。

ドォーーン!!

「ゴードン将軍!胸壁が破られていきます!!」

「わかっておる!!駆けつけるぞ、続けぃ!!」

が、さらに続けてゴードンの目に信じがたい光景が映る。胸壁の後ろ側からいつの間にか三体の鋼鉄の巨人がむくりと起き上がり、飛来した石を胸壁の外へと投げ返したのだ。

「!…あれは!まさか」

「私ではありませんよ」

あっけにとられるゴードンの横に宰相ノエルがいる。ゴードンとて並の武人ではないのだが、まったく気配を感じられなかった。いつもの落ち着いた格好ではなく派手な服を、それもさらに奇妙に崩れた感じに来ていた。なにか、着替える間すらないという感じだ。

「私ではありません。ただ…ツヴェドリ王も、狂う前か後なのかはわかりませんが、このような事態に対して準備をしていたようなのです」

宰相の肩から(ピー)君、あえて人の発音で言うなればケブレス君が飛び立ち、猛きブラスドラゴンに姿を変え投石機を焼き払いに月夜を舞う。連合軍の士気はいやがおうにも上がり、サルファーンを追い返す。彼らの手には宰相が配布した魔法薬や呪符、陰符などが握られていた。


リルガミンの中、ギルガメッシュの酒場。

ドォーーン…ドォーーン…

遠くに低く重い音が響く。

その酒場の中では、アンディがひとりで飲んだくれていた。

「ちっくしょう~ウィック」

「どうしたのですか?」

「あぁ~ん?あ、あ…いや…」

声をかけたのはヴァイオレットである。町外れの迷宮に挑む冒険者の数は知れており、いまやそれぞれお互い顔くらいは知っている。荒れていたアンディは困った顔をする。

「今日はラリアさんやシアさんと一緒ではないのですね」

「怖いんですよ」

「えっ?」

「おかしいですか?怖がっちゃ。俺がびびり屋なのは有名かもしれませんがね。嫌なんですよ、もう。ワードナの核撃でふっとばされるのは」

「アンディさん…」

「そりゃあわかってますよ、俺たちがやらなきゃ世界が…ってね。でも…あんなのは…あんなのは…」

アンディは両手で自らの身体を押さえた。弾け飛ぶ自分の死の感覚を思いだしているらしい。

「アンディさん…私も、同じです。私たちはミフネやワードナどころかポレにも敗れてしまいました…迷宮にいる時のあの感じは、いつまでも馴染めません…本当ならば、もう二度と…」

アンディは赤い顔を上げる。少し鼻水をたらしていた。

ヴァイオレットはアンディから酒杯を奪うと、麦酒を一気に飲み干してしまった。そしてあっけにとられるアンディに言う。

「飲みましょう♪アンディさん。飲んで愚痴って、そしてまた一歩ずつ行きましょう?カドルト様は見ていて下さいますよ」

「ヴァイオレットさん、俺、俺…俺の前で!シアが、シアがさぁ~ワードナの野郎がさぁ~」(うわ~ん)

いつの間にか、低く重い音は聞こえなくなっていた。
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  1. 2013/04/23(火) 18:47:19|
  2. ワードナ
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