銀河帝国

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【WIZ】第八十一話「フソウの国」

東方、フソウの国。

遠くエセルナート地方を蹂躙していた災厄は、このサムライニンジャの国にまで達しようとしていた。

旧カガミ家領地、天領ヤサカ。

大陸への抑えともなるべきこの要地に、フソウ国がこれまで経験したことのない深刻な事態が起きている。

「だ…だれぞ水を…み、みずを…」…バタリ

小さな宿場町のなか、干からびた街道の上で壮年のサムライとおぼしき男が行き倒れる。周りに生者の姿はない。ただ先に倒れた者たちの骸だけが方々に横たわっていた。彼らの顔といわず手といわず皮膚には黒ずみふくれあがった異様な突起ができ、あるいは破れていた。止めようがない疫病である。街道を上り逃れようとした人びとの末路であった。

厄災の震源地ヤサカで未だに生き残っている人びとはもはや少ない。代官や神官、薬師すら既に亡くなってしまっていた。田畑は荒れ家畜すら死に絶え、住む者を失った家屋も崩れようとしていた。エセルナート全域と同じように。だが。

ヤサカの城。ひとりの女の子がところ狭しと駆け回っていた。

「ちょっとどいてどいて~っ」

病人の看病をせわしなく、また笑顔で行うのはカエデ・ミツルギ。薬草を野山で集めては自分で煎じて飲ませ、また貼って回っていた。

「ほんに、カエデちゃんがいると空気が明るくなるのぅ」
「そうやなぁ、ゴホッゴホッ!ソラ様と同じじゃなぁ。ゴホッゴホッ」
「ああ、ソラの若様は今ごろどうしているんやろか?こんなかわいい妹はん置いてきぼりにしよってに」
「いや、ヤサカもこないな具合なんだら、かえっておらんほうが良かったのかもしれん」

老人たちの噂話しをカエデがみかがめる。

「そんなこと言っちゃダメダメ!必ず兄様が帰ってくるまでにヤサカは復興するんだから。もうすぐツバキ姉さんが連れ帰ってくるから大丈夫♪」

「ほほ、そうあって欲しいのぅ…」

カエデ・ミツルギ。かつてのカガミ家家老ツカサ・ミツルギの娘でありソラ・ミツルギの腹違いの妹である彼女がひまり・みたまという巫女と瓜二つであることを知る者はヤサカにはいなかった。


一方、希望の地リルガミン。

外周胸壁や臨時造りの空堀などはすべてサルファーン側に占領されてしまっていた。一点を突破されてしまっては塁壁は守れない。ツヴェドリの遺産である鋼鉄のゴーレムたちもサルファーンに与した巨人らによって倒されてしまった。

本城壁にひっきりなしにかけられる梯子を蹴倒しながらグリファルドは叫ぶ。

「今まで幾度我らフェールエンが攻め立てても破れなんだ城壁ぞ!ここで我らがリルガミンに味方してなお悪魔どもに突破などさせるな!!フェールエンの意地を見せるのだ!!」

不思議なものだ。宿敵リルガミンの城を必死に我々が守っている…

そんな感慨にふける間はない。投石の一撃による揺れをふんばって堪えたかと思えば、グリファルドは脳天から降ってきた火炎(マハリト)に焼かれる痛みに耐えなければならなかった。

「ぐっ…弩兵は何をしている!」

フェールエン自慢のクロスボウ部隊。だが彼らは強力な反面装填に時間がかかる。レッサーデーモンの火炎や迅雷(モリト)の餌食となり城壁から黒焦げになり落ちようとしていた。

「まずい!」

たちまちにその一点に梯子やら霜巨人、飛来する無数の死霊などが寄せ集まる。グリファルドの前には、赤いされこうべがむっつほど上から降りてきて行く手を遮った。このスクライルたちのエナジードレインを警戒すれば走り抜けられない。

「なんというこ…かっ…は…」

膝からグリファルドは崩れ落ちる。強烈なエナジードレイン。不死王デルフの冷たい手が後ろからグリファルドの首筋に触れていた。この瞬間、フェールエン軍はその指揮官を一時的に失った。

虚空には、かつてリルガミンの王宮にあった男ゼフロスこと魔神将マルゴーが黒き光をまとい無数の悪魔怪物らをその一点に突入させている。デルフは呟く。

「ああ~残念だなあ♪これでおしまい!?むふふ~♪ふむ?」

その空いた城壁の上になんの予告もなしに現れたのは、六つ翼を持つ深緑の巨龍。輝く神話。さらにその周囲からヒドラら四体の巨獣が現れ瞬く間に悪魔たちを凪ぎ払った。デルフは腕を組み片眉を釣り上げる。

「…エル君?あちゃあ、今日は新月だったか~♪あれじゃあしょうがないよねぇマルゴー君♪ここは退くよー…あれ?」

驚愕するデルフの姿が崩れ落ち灰になる。

「逃さんよ」

城壁を気配なく昇りさまに壊呪(ジルワン)を唱えたのは、教皇マンフレッティ七世だった。
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  1. 2013/04/23(火) 18:50:40|
  2. ワードナ
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