銀河帝国

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【WIZ】第八十七話「ニルダの護り」

リルガミン王宮、謁見の間の裏。

厳重に囲われたその簡素で静謐な、白く清浄な狭き石室。杖の間。

その部屋に足を踏み入れたのはわずかに宰相ノエルとリリィ・リルガミンただ二人だけだった。

「本当にいいの?私で?」

リリィは手が持つ輝き揺らめく杖。伝承の割には地味なようにも見え、しかしすぐに周りの時空が幽かにたわんで見える。宰相ノエルはうなづいて言った。

「守護者たちは言わば門番のようなものですが、巫女は三界を安定させる役割を持ちます。デルフが三人の巫女を六人に増やしたのは守護者を含め六つ柱の神々を封じる魂胆のようですが、この場合はリリィさんがやはりふさわしいと思いますよ」

よくわからないが、とにかくリリィは台座に杖を差し込む。

数瞬。

なにも起きない。厚い壁ごしになお、城内に充満した避難民の不安そうな声やサルファーン側とのいくさの地響きが引き続き聞こえてくる。

「なにも起きないじゃない!!どうすんのよ!?もう本丸も陥落寸前、町外れの迷宮の入り口に行くのだってもう…」

扉が勢い良く開けられる。

「おい、行くぞ!リリィ!!」

ウルフだった。隣にはローズが控えている。

「えっ!!なに?なに?」

「ローズが遠眼鏡で見たには大城壁の外周、掘の外に敵が外からは通れない見えない障壁が出来たようだ。よくわからないが、とにかくチャンスだ!」

ウルフはリリィの腕を引っ張って行ってしまう。ローズだけがノエルに一礼して後を追った。

「ふぅ…」

エルは小さくため息をつくと、手に登ってきた(ピー)君と話す。

「どうやらこれで攻防戦も一段落着いたようですね…さて、では陰符の作り方にも慣れてきたことですし、行商人にでも戻る算段を始めてましょうか…それとも龍神に?…いえ、その前に…」

まずエルが、続いて(ピー)君が城の中庭から空を見上げる。雲ひとつない晴天に、まばゆいばかりの陽光がきらめいていた。

「久しぶりにゆっくりまどろむとしますか…あの頃のように…」

龍神は片目をこすりながらあくびをする。相棒はチロリと舌を出してその頬をなめると、つられて小さなあくびをした。



地下最下層。

エル'ケブレスと対峙するワードナ。

巨龍の背後には忌まわしき深淵の門が存在していた。

『挑みし者よ、汝、鍵を持つか』

「ここに」

ワードナは左胸を指差した。神々のアミュレット。彼は真実のそれと同化していた。護符はそのコピーに過ぎない。

『挑みしものよ、汝、護りを持つか』

「フン、ついさっきだ。リルガミンは護りを回復した」

空間に力場が生まれている。ニルダの護りは地下深いこの部屋にまで及んでいた。

『挑みしものよ、汝、理を知るか』

「生命の樹。さあ、これでよかろう?古き龍よ」

巨龍の意識と幻想は目を細めながら消え去り、ゆっくりと、音なき悲鳴に似た叫びを上げながら、地獄の門は開いていった。

ワードナは振り返る。

「遊びはこれまでだ。冒険者どもめが。む?」

その前にはいつの間にかオカマ?ドワーフのソーコ・ソゴが立っている。

「ようやくだな。ワードナよ」

「貴様…ここでなにを…む?むむ?」

ソーコの顔が変容する。

「守りは私が引き受けよう。行くが良い、我らは天を貫く」

「ええ、そうさせていただきます。では」

大地にて最も不遜な男が、数百年ぶりに使った敬語だった。
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  1. 2013/04/24(水) 12:14:43|
  2. ワードナ
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