銀河帝国

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【WIZ】第八十九話「業」

迷子になってしまった。

ソラ・ミツルギの妹カエデ・ミツルギ。兄を追ってフソウ国からはるばるこの都まできたカエデであったが、慣れない旅ということもあり方向オンチということもあり迷子になってしまった。そのうちお腹がすいてきちゃったので露天のりんごをかじる。そこのおばあちゃんと話こんでしまった。

「そうなんですよぅ、はぐれちゃったんですっ!あんなに目立つひとなのに!」

「あらあら、それは困ったねぇ。あたしは朝からここに座ってるけど、そんな桃色の髪をしたハデなひとなんて見なかったよぉ。それより、さっきのLってひとすごいのねぇ?」

「そうなんですよぅ!!おばさんはなしわかるぅ!!カッコイイ!!カッコイイの!!クールで強くて頭良くて!!キャー!?」

「流行り病を簡単に治しちまうなんてねぇ…うちの聖帝さまも数々の奇跡をなされたけど、他にもすごいひとがいるもんだねぇ~。あれ?」

「えっ!?」

空が黒く覆われ、街じゅうを紅蓮の炎が舐めた。

ガ!!ゴボゴゴゴ!!ガッガッ!!ズ コーーーッッッ

「なにー?えっえっ?」

カエデにはなにが起きたのかまったくわからない。ただ、気がつけばこのイスファンディヤールの都まで共に旅をしてきたララ・グラムという女性の腕の中にカエデはいた。助けられたらしい。周りは一瞬にして焼け燻る瓦礫の街に変わっていた。

「え…ララさん、これって…」

カエデも無傷ではない。左脇に鈍い痛みと、両頬にひりつく痛みを覚える。だが今はそれどころではない。ララ・グラムはきっ、と上空を睨み付ける。そこには、暗緑色の強大な龍神が天蓋となり陽光を塞いでいた。咆哮。全身を震え砕かれるかのような原初の畏怖の雄叫びが轟く。カエデは崩れ落ちそうになる自分を必死に堪え、倒れているひとたちの元へと駆け寄った。介護は慣れている。身体がかってに動くことがありがたかった。カエデの背でララは龍を睨み続けている。

「奴め…昔から…これだからっ!!」

帝都イスファンディヤールを守ろうと、遅まきながらサルファーンの留守兵が動きだす。魔人兵と呼ばれている者たちだ。巨龍は、もの足りない風で悠然と去った。

「おばさん!!おばさん!!」

カエデは先ほどの露天のおばさんを見つける。変わり果てた姿になっていた。

「ああ…おじょうちゃんかい…お兄さんが無事に見つかるといいねぇ…その…カッコイイ旅人さんにもね…」

女は息絶える。

凄惨な戦争は、未だに終局への道を見失っていた。



迷子になってしまっていた。

「むぅぅ…」

悪の大魔術師ワードナ。

地下四階のワードナ専用迷宮。迷っていた。

『ガーッガーッ!

元あった扉が石壁に閉ざされ、壁だった所に扉が現れた!』

そんな具合で地下最下層での戦いを挟んでずっとここの辺りで迷っている。ここのワードナを阻むトリックは定番化しているものであり、コズミックキューブというにはおこがましいものだった。もしかしたらずっと抜けられないかもしれないが、これを抜けられないようでは三界を制するとか神に挑むどころかリルガミンの覇者にも相応しくないだろう。

「むぅぅ…」

現れては消える扉の壁を、ワードナは蹴飛ばした。
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  1. 2013/04/24(水) 12:16:30|
  2. ワードナ
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