銀河帝国

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【WIZ】第九十二話「ヤマカゼの帰還」

サルファーンの軍勢は未だにリルガミンを重囲している。彼らは王都を囲むように長城を築き終わり、投石機や攻城弩などによる果断ない攻撃を仕掛け続けていた。

ズゥ!ゥゥゥゥゥゥン…

またひとつ、飛来した巨石が民家を押し潰す。リルガミンを囲む大城壁は高く、その池堀も深かったが投石等による攻撃の前には無価値同然だった。ニルダの護りですら無生物に対しては無力である。

「姉さんが目を覚まさない?どうして!」

カント寺院の仮施設。リリィは、ここで寺院の僧に食ってかかっていた。

「それがわからないのです。蘇生…いえ、死亡した状態ではなかったので蘇生の術を行う訳にもいかず、半死半生のいわば昏睡状態から抜け出すすべが、我々にも見当がつきませんでして…」

「弟もか」

「はい…」

ウルフェン・フェールエンも安置されたガイシルトを見ながら言う。

「ち…昔から世話をやかせる奴だったが…おい!そこの坊さん!せめてカンオケじゃなくてベッドに乗せとけよ!」

「は、はい!」

ズゥ!ゥゥゥゥゥゥン…

巨石の振動が地に響く。ほぼ同時にいきなりの豪雨が降りはじめた。あの六本腕の悪魔が現れてからというもの天候も明らかにおかしい。太陽を見ることもほとんどなくなってしまった。

そこにローズが音もなく現れる。

「陛下、ダリアの部族長が謁見を求めております」

「その陛下っての止めろよ…仲間だろう?ローズ」

「冒険者仲間としてはこれまで通り、ウルフと呼ばせていただきます」

ウルフは憮然とした表情を浮かべる。リリィの方は、普段であればウルフにからかいの言葉をかけるところだが、今はデメテルの棺の横で身動ぎもしないでいた。

「『血の封印』はもしかしたら完全には解けていないのかもしれない…私たちはこうして生きている。姉さんはそれで起きないのかもしれない」

「じゃあどうして弟まで寝たままなんだ?もう、俺たちが影武者じゃないかって噂が流れてるんだぜ?そうだったなローズ!」

「はい、陛下」

「だから!その陛下っての止めろよ!早くに亡くなった母様似のやさしいガイシルトと違って、自分の好き勝手にやりたい俺や親父みたいなのは王様とかそーゆーのになっちゃいけないんだよ!!俺は…俺は絶対に親父みたいな最低な人間最低な王にはならねーからな!!」

ウルフは仮寺院を出ていこうとする。だが扉の前で立ち止まると、髪の毛をわしわしとかきながら振り返った。

「ほらなにしてる行くぞ!?仲間だろう?俺たちは」

ワードナだろうがマルゴーだろうがみんな斬り倒せばいい。そうすれば世界も弟もフェールエンも救われるし、王さまだなんて言われなくて済むのだ。ウルフの心は晴れなかったが、そう決めると少しは和いた。


その同じ部屋の、少し前の時間。

ささやき―いのり―えいしょう―ねんじろ!

ひとりのホビットの女の子が蘇生した。ヤマカゼである。

だがその周りにはサラーフとダイトクの二人しかいない。カントの僧もいない。
「お帰りなさいませ。・・・様」

「うん。留守中よくやってくれていたね」

片膝で最敬礼をするサラーフとダイトクに、ヤマカゼが荘厳さすら漂わせて言う。その言にはただならぬ者の持つ響きがある。

サラーフが状況を説明することはない。それは必要ないからだ。

「向こうの準備はいろいろ終わらせておいたよ。できれば…その必要がなければいいのだけど」

「はい」

手を差しのべたいが、自身らのために過度過保護に関わることも避けたい。そんな複雑な気持ちがサラーフにもわかる。

「では行こう…ね、サラ?ダイトクぅ」

ヤマカゼはにぱっ☆と笑いいつものヤマカゼに戻る。二人は立ち上がった。

「大地の宝珠。あれを取り返せば天災は収まる」

外では朝日が数日ぶりに人びとを照らしているところであった。
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  1. 2013/04/24(水) 12:45:54|
  2. ワードナ
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