銀河帝国

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【WIZ】第百七話「結婚式」

カツ…

カツ…

カツ…

冷たく響くチェスの駒の音。

カツ…

白と黒の争い。だがその双方の駒を操るのは独りの男だった。どくろのような顔。骨ばった指先。擦りきれたローブ…

地下三階、ポレの部屋。

ポレは氷の壁に向かい、独りでチェスを指していたのだ。

「飽きないな、お互い」

チェスのことを言っているのかいないのか。ポレ自身にもわからないしそれはどうでもいい。王の入城…

「フェールエンのことかね?フム」

視線が合う。氷壁の中には不死王デルフが封じられていた。その姿は棺のような陶器に覆われ、見る陰もない。凍師ポレはデルフの視線を読みチェスを指していた。

「あるいは…王とはワードナ?それとも君自身かね。私が思うに、生まれの順でリルガミンの王位につけなんだ君こそがツヴェドリなんぞよりよっぽどトレボーに似ていたと考えるよ。老死した狂王を教訓にまず不死となってから兄を殺し甥と姪を追放して王位を狙うとはね。ラクロア公…ダパルプス・リルガミン」

カツ…

カツ…

カツ…

この部屋のすぐそこまでワードナは迫っている。


地上、リルガミン。

宰相ノエルの要請により、二人の式は教皇マンフレッティそのひとが執り行った。通常あり得ないことなのだが、教皇自身の強い意思で実現に至った。

アンディとシアの結婚式である。

「おめでとう!」

「おめでとうっ!!」

「おめでとう、シア。アンディ」

「ありがとうみんな!!」

重ねて浴びる祝福にシアは手を振り大声で答えた。アンディは少し動きがぎこちない。この対照的な二人の動きは誓いの口づけを機に交代する。

『汝、アンディ・ラクティカはシア・ユーリ・コンティーを生涯の伴侶とし…』

事態が事態であり、豪華な結婚式という訳にはいかない。だが教皇のおでましとなりカント寺院も総出であり、冒険者たちも少なくない数が集まった。

「いいな、姉さん」

「次は俺たちだな、サーファ」

「うん!」

ノースアも微笑んでいる。

「シアさん、本当にきれいですわね」

「なにを言いおるか!ヴァイオレットがドレスを着れば敵うものなどは!」

「おいおいレオン、こーゆーのは競うもんじゃねーだろ?」

レパードはレオンの髭をくるくる回し始め、ヴァイオレットは思わず少し吹き出してしまった。


『汝、シア・ユーリ・コンティーはアンディ・ラクティカを生涯の伴侶とし…』

普段気さくにしている教皇も、風格を出しきっちりと式を進めている。ツバキは少しいたたまれなくなってきた。ガルとカエデがとなりにいることが嬉しい。ツバキはひとりで思い直し、壇上の二人に笑顔を向けることにした。


『では、誓いのキッスを』

ロンバリアの訛りが出たのかもしれない。歓声が上がる中、メルセデスはサラーフの手に腕を絡める。

「ねえ、私達もさー」

「無理です」

「え?」

「私、女の子になってしまいましたから」

サーティファイドがぷっと吹き出している。コンゴウもニヤニヤした。

「え?えぇ?って、アンタらもみんな知ってたの!?」

髪にリボンをつけておめかししてきたヤマカゼがメルセデスの前に来る。

「ねえ、じゃあメルルってばぼくとダイトクのことも気づかなかったのぉ!?」

メルセデスは気を失ってしまい、式はまた混乱の内に終わってしまうのだった。

『信じてるからな、アンディ』

『お、おう。離すもんか。オマエの手も、ハートもな』

誓いのキスは、何回してもいいものだった。
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  1. 2013/04/26(金) 00:17:55|
  2. ワードナ
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