銀河帝国

mixiのコミュニティで運営中の自作無料ゲーム「ガンダムディプロマシー」とiPhoneアプリ「銀河帝国」のページです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

【WIZ】第百九話「エル'ケブレスと老人と異形のものたち」

リルガミンの街にひとりの老人が到着した。

長旅をしてきた魔術師なのか、よれたローブに深いフードをかぶり、白く長いひげを蓄えその手には細長くふしのついた杖を携えている。その老人はリルガミンの門番に古くから伝わる合い言葉を口にすると市街に入り真っ直ぐに宰相府へと向かった。

「もし、兵士の方。そこを通してくださらんかね?」

「何者か!」

「うーむ、何者かと言われるとなんて答えればよいか…」

老人が困っていたところへ、その後ろから宰相ノエルその人が現れる。

「どうかしたのですか。ああ、あなたは…衛士リューク、衛士ハンセン。この方は私の古くからの知り合いです」

「はっ」

「ほほ、助かったわ」

「どうぞ」

こうして老人はリルガミン宰相府へと入っていく。中ではサルファーンから来た無数の異形の者たちがエルを待っていた。



エルは老人に席を進め、異形者の代表にも同じようにした。他の植物とも動物とも形容しがたきうねる生き物は溶けるように姿を消す。

「まずはヤマタノオロチ殿。長旅、ご苦労様でした。疲れを癒してからと言いたい所ではありますが」

「なんのなんの!すぐそこまで飛んできたでな。扶桑はもうすっかり大丈夫。東方諸国も心配ないぞえ。ここのいくさも終わったようじゃのう?ひさびさにぶちかまそうかと思っておったが!」

エルは微笑してゼノンの方へ向き直る。異形異界の生命の長は、エル商店の店長の姿へと変化した。服までは変化できない。

「我々の悲願、ようやく」

エルはうなづいて先を促す。

「サルファーン南部の砂漠は、我々の故郷の星に本当に気候が似ています。まさかこの星にもあのような場所があるとは…あ」

ゼノンは数千年の長きに渡り、エトナ山の一角で一族と果てしない戦いを続けてきたこのドラゴンが涙を流したことに心底驚いた。そして自分でも気づかずにその手をとっていた。

「よかった。本当に、本当によかった」

エルらしくないとも、だが実際に見ると自然な涙。ゼノは嬉しさと、それと同じくらいの後悔を覚えていた。このドラゴンの言う共存という言葉を早くから受け入れていたら何千何万の分裂同胞が消されずに済んだのだ。いや、その種の危機に我々ゼノが発揮する大繁殖も彼に誤解を生んだという悲劇があったとはいえ…

ヤマタノオロチはあごひげに手をやりながら微笑んだ。

「なにやらよくわからんが、良かったのぅ…じゃが…人に紛れて暮らすのであれば、服は着た方が良いと思うがの…」


この頃、解放されたフェールエンでは代王ガイシルトが頑迷に正式な即位を拒否していた。
スポンサーサイト
  1. 2013/04/26(金) 00:20:33|
  2. ワードナ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<【WIZ】第百十話「じゅうはちきん?」 | ホーム | 【WIZ】第百八話「ハゲのカツラ!」>>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://foxfire8731.blog119.fc2.com/tb.php/1140-0bd94782
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。