銀河帝国

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[#ガンダム ディプロマシー] 第五回 パプティマス・シロッコ

サァァァァァァァ…

宇宙でシャワーを浴びる。考えてみれば不思議なものだ。宇宙世紀0079年の今ではほぼすべての長距離航行可能な宇宙船のコアブロックとされる低重心区画にシャワーないしはバスルームが備えられている。地上のようなほこりや暑さによる汗などは快適な宇宙空間を主として生活する者が浴びることは稀だったが、逆に一日の体内感覚が麻痺してしまうことへの対策のひとつとして、入浴はスペースノイドの間でも奨励されていた。


肌を洗い流す感覚。心地よい。


奨励されているのは運動もだった。いや、こちらは義務ともされていた。それに伴う発汗は不可避なものであり、その後の入浴や食事、就寝などをセットにして体内時計を整えているのは一般的といえた。


ただ、流滴の軽音以外の無音。解放感。煩わしいものの一切から、彼女は解き放たれるこの瞬間が好きだった。そこには軍隊も戦争も、男も女もない。


キュッキュッキュッ


シャワーのノブを締める。現実に引き戻される音。男の元に引き戻される音。パプティマス・シロッコ。サラはその男にすべてを委ねている。ただひととき、このシャワーの瞬間を除いては…サラは長い木星軌道からの帰還の最中に繰り返された夜を思い出そうとして、やめる。女としての自分でなく、軍人としての、強化人間としての自分に戻るために。サラ・ザビアロフという女性はしなやかな強さとシロッコとの強い結びつきによって、強化人間でありながらも己を失わない稀有な存在でもあった。切り替えが上手なのだ。いや、揺らぐ心はない訳ではないのだが、それをスッと横に置き、あるいは俯瞰することができる人間だった。芯には、シロッコという存在がある。サラはバスタオルで手早く身体の隅々を拭いた。急速に軍人に戻る。承認欲求?それも今は横に置こう。着替えてバスルームを出る。


「サラ!」

「パプティマス様」

シロッコが待っていたかのように声をかけた。少し驚くサラに、シロッコは歩きながらの会話を身体で促す。サラは軍人の対応でこの天才と言われる孤独な男のそばにいられることを嬉しく思った。シロッコはわずかでも私に心を許していない。しかし、寂寞とした木星衛生軌道で義父ひとりに育てられたというこの天才の力にサラはなりたかった。

「…そういう訳だ。やってくれるな?サラ」

「はい、パプティマス様」

「うん。これができるのは君だけだ」

空虚感。しかし、サラは身を委ねる。軍人として、強化人間として、娼婦として、そんなことはどうでもよかった。この天才の登りつめる先を見たかった。たとえ、その階段に最後までついて行けなくても。


空虚感。


サラ・ザビアロフはしかし、求められるという変わらぬ喜びの中で、少しずつ大きくなっていくそれをも同時に感じていた。


冷たき宇宙空間。人々は安らぎとぬくもりを失いつつあった。
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  1. 2013/06/25(火) 01:35:09|
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