銀河帝国

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ガンダムディプロマシー第九回「三つの宇宙要塞」

宇宙要塞ア・バオア・クー宙域。

この猫に似た幻獣の名を冠した十字架型の要塞から、二隻の宇宙戦艦が発進するのをアナベル・ガトー大尉は超長距離光学レンズで注視していた。宇宙空間には空気がないために、地上と違い視界も減殺されない。逆に言えば距離感をつかむのにコツが必要だった。そのようなことはガトーにとって朝食を摂るより容易い。

「二隻のみか。バランスを欠く」

傍らに立つカリウス軍曹にガトーはそう言った。いや、独り言なのか、自分に言い聞かせながら考えているのか。カリウスは立ったまま黙ってガトーを見ている。しかしガトーがそのままレンズから目を離さないのを見ると、カリウスはゆっくりと口を開いた。

「大尉、なぜ総帥はグワジンでなくムサイで出撃されるのでしょう」

「さあな。総帥なりのお考えがあってのことだろう。我々はただ、ジオンに仇となる者たちを殲滅することにベストを尽くすだけだ」

ガトーはカシャリと音をさせてレンズをオートの状態に戻し、索敵室を出る。カリウスは後に続いた。

「第二隊の指揮は任せるぞ、カリウス。まずは共にあの広い艦腹に取り付き、私の率いる第一隊は先発し艦橋を落とし、怯んだところを第二隊が艦最後部の上斜め前方から左端の機関後部を打撃する。難しい任務だが」

ガトーの表情が引き締まる。

「君なら大丈夫だ。人格も技量も信頼できる同志がいるというのは嬉しいものだな」

カリウスはわずかに笑いそうになる。この少しぎこちない時代的な物言いに害意はないことをすでに知っている。もう数年もしたら自然な感じになるのだろうか。

「そうですね。私もです。ありがとうございます」

二人はオペレーションルームへと入って行く。ほとんど時を置かずに細部まで組み上がったプラン通りに、実際の戦闘は進むのだった。


正統ジオン軍、グワジン級戦艦グワリブの艦橋をザクバズーカの一閃にて撃ち抜くガトー。

「ジオンの名を騙る者たちよ!いますぐ降れ!貴様らの背後に故郷はない!」

おびき出された正統側のザク隊は既に全滅している。巨艦が、折れながら悲鳴を上げていた。爆轟。

この戦いのしばらく後に彼は【ソロモンの悪夢】と言われるようになるのだが、この時はまだ、無名のパイロットであった。



そしてもうひとつの宇宙要塞、ルナツー。

「準備は、順調かね」

パプティマス・シロッコが第十三スペースポートに降り立つ。白地の着流しに薄紫の羽織ものという涼やかないでたち。もちろん、和装そのものではない。デザインから細かいところまでシロッコ本人がデザインしたものだ。無重力や軽重力空間での活動が軽快にできるよう機能的にも作られている。声をかけられたレコア・ロンド中尉はシロッコに正対して返事をした。

「はい、全ては順調です。シロッコ提督」

「提督か。まあいいだろう。もうすでにティターンズとの主従関係は解消していて、私の立場は不明瞭なものになった。だがそのようなことはいいのだ。問題なのは、我々が何を望み、どうかるかだ。レコア」

レコアはシロッコの瞳を覗き見る。奥は知れない。危うさや狂気は感じられないが…その先には何があるのだろう。

「私もそれを知りたいです。シロッコ」

連邦軍の要塞であるルナツーを制圧し、さらに母体であるティターンズから事実上の独立を果たしたシロッコの勢力。その目指す所は未だに不明であるが、宇宙の一地域に独立した政体勢力を打ち立て蟠踞するものと思われている。シロッコはレコアの問いを受け流して新たに建造を始めた新兵器を仰ぎ見た。

「素晴らしい力だ。新たな時代を生むだろう」

抽象的な物言い。存在を無視されることに、レコアは耐えることができない。あえてシロッコの視界の中へ進み彼を振り返る。

「はい。この力を、シロッコ様はどう使うのですか?」

様、にわずかに皮肉の感じをこめる。通じるか?

「戦争に使う。その先にあるのは平和。我々の時代のためにだ」

シロッコはレコアに微笑み、言葉を続ける。

「ジオン公国は倒されなくてはならない。彼らは人を殺しすぎだ。コロニー国家独立のためとは言え、人類の半分はやりすぎというものだ。では地球連邦はどうか。これは時代の役割を終えていると言わねばならないだろう」

いつの間にか、スペースポートの周囲にいたジュピトリスの兵たちが集まりシロッコの言葉を聞き始めていた。

「なぜこのような悲劇、そしてそのような要因となる格差か生まれてしまったのか。それは集権にこそある。連邦の完全民主主義は形骸化しており、ザビ家の独裁は歴史上の惨劇を再現しているかのようだ。我々はそれを止めうる唯一の勢力なのだ。それは、義務でもある。戦争が終われば、私は各種の権力を各サイドに分散して置く。地球はというと資源がある。それで対等だ。均衡が悲劇や格差を抑制する。権力財力の集権こそが悲劇を生むのだ。だがこれは社会主義の類いではない。それは失敗した。新たな試みをする時期に人類はきているのだ」

シロッコの演説。いつの間にか兵たちはそれぞれに直立して聞いていた。

「ソロモンを包囲している艦隊を、動かしますか」

レコアが代表して問う。

「 」

笑みを浮かべるシロッコの答えは。

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  1. 2013/08/06(火) 01:34:12|
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