銀河帝国

mixiのコミュニティで運営中の自作無料ゲーム「ガンダムディプロマシー」とiPhoneアプリ「銀河帝国」のページです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

ガンダムディプロマシー第十二回「三頭会議」

壮観、という他ない。

地上における対正統ジオンの三勢力連合軍が結成され、ペキンへわるの二基地を陥落させオデッサを残して崩壊した。ティターンズが得るはずだったベルファスト基地の処遇を巡りエゥーゴが離反してこれを獲得、目下ティターンズとエゥーゴは交戦状態にある。ペキンを獲得した地球連邦軍はこの二勢力の戦いに対して中立を保っている。そして、今度は新たに宇宙において対正統ジオンの三勢力連合が結成され、ソロモン宙域に集結していた。一時期は地上に宇宙に覇を唱えてこのまま地球圏を制圧するかに思われた正統ジオン軍の命運は、いくばくも残されていないかのようだった。

「まったく、すごいな」

いつものように涼しげな笑みをたたえたまま、パプティマス・シロッコは言った。大型輸送船ジュピトリスのテラス。左右にはアン・ムラサメとサラ・ザビアロフという二人のパイロットが侍る。感情というものを一切表情に見せぬままにアンが口を開いた。

「この戦い、間違いなく勝てますね」

シロッコが振り向く。

「なぜ、そう言える」

直視。アンはやはり感情なく言葉を続けた。

「これだけの大軍です。勝敗はすでに決まっていると思います」

「我々が君のいたティターンズのように出し抜かれないという保証がどこにあるというのかな、アン少尉。確かにあのソロモンは連合のうちこのジュピトリスが得る約定になってはいるが、戦いの途中でギレンやシャアの気持ちが変わらないとも限らない。あるいは罠かもしれない。もちろんそうはならないよう私も気をつけるが、二人も心しておいてくれ」

「「はい」」

「そろそろ会談の時間だ。二人の総帥を出迎えねば」

「「はい」」

歩き出すシロッコ。サラとアンはそれに続いた。無重力エリアで回廊の壁にあるハンドコンベアを使う。床に降り立ち、シロッコは話を続けた。

「ジオン・ダイクンが理論を唱え、実際に現れたニュータイプという新しい人類のこともだいぶ科学的にわかってきた。アンもサラもそれだからこそそのポテンシャルを発揮できている訳だが…私は強化人間などという呼び方を好まない。まるで人を兵器として扱う失礼な言い方だろう。先天的なニュータイプも後天的な強化人間も、共にユーバーメンシュとして扱われるべきだと思っている」

二人は聞きいるのみだ。だがサラの方は少し顔を明るくした。

「超人、だな。この言い方も誤解を呼びかねないが、とにかく君たちは人間として扱われるべきだ。当然といえば当然だが。アン、私が君をジャミトフの所から助けだしたのも、そのような理由からだ」

語尾が大きな機械音で消される。ジュピトリスのスペースポートに、順に二隻の連絡艇が着いたのだ。姿を見せたのは二人のジオンの総帥。

「ようこそジュピトリスへ。ギレン総帥」

「お招きありがとう。シロッコ艦長」

「私のことはシロッコと呼んでください」

「わかりました。では私もギレンと呼んでもらいましょう」

赤い彗星が加わる。

「私は仲間外れですか?」

シロッコが笑みのまま向き直る。

「いや失礼を。ほぼ同時に到着されたものですから。キャスバル大統領」

「シャアで結構です。しかし、それはいいとしてもギレン総帥と私との間柄はなかなか複雑です」

「そうですな。だが、この二人の間だけ他人行儀な呼び名という訳にもいかないでしょう」

狐たちの笑み。ギレンを背後から護衛するガトーからはそう感じられた。しかしそれなら狐の知恵がなく出し抜かれて滅びるのは、正統ジオンということになるのだろうか。ガトーが口を挟める会談ではない。首領たちはほどなく会場へと席を移した。

宇宙三頭会議。口火を切ったのはギレンだった。

「まずは、ジオン公国の分裂の問題。お互いに停戦状態にあるとはいえ、完全にこれを避けることはできぬでしょうな。再統一は如何か。シャア」

(いきなりか)ギレンの先制に、シャアが答え、シロッコは聞く姿勢をとる。

「それはどのような形でですか。私としては、将来的な再統一が図られることには賛成しても良いと考えます。しかし、いますぐにというのは不可能でしょう」

「確かに。いますぐには無理でしょう。平和が訪れた後に選挙をするか、あるいは空席となった公王の席にジオン・ダイクンの遺児が座るという方法もある」

シャアは少し間をおいた。場に出されたのは、紅茶。自分の落ち着きを確認する。

「そういえば我々はお互い二代目でしたね。ギレン。まさか後継をそれぞれの父親からクロスオーバーするというのは、冗談でしかないと思います」

間を見てシロッコが入る。

「その話、私がここにいてもいいのですか?」

ギレンが応じる。

「無論です。場合によっては調停を願うこともありうるでしょう」

「わかりました。ですが今は目の前の敵に対する協議を我々としてはお願いしたい」

シャアも乗る。

「賛成です。ジオン分裂の件は、将来的な再統一に向けた協議を開始するという合意で落としていただきたい」

「いいでしょう。それならば我々の軍は…

会談は続く。剣も銃もない、素手の真剣勝負は二時間に及んだ。

(赤い彗星か)

護衛として会談の部屋にいたガトーはシャアの仮面をとった顔を見る。

(変わるものだ、人間は)

ガトーは、何ヶ月か前まで同じエースパイロットだったこの男に、なぜか拒否感を覚えるのだった。
スポンサーサイト
  1. 2013/09/10(火) 19:30:41|
  2. ガンダムディプロマシー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<ガンダムディプロマシー第12ターン陣営情報 | ホーム | ガンダムディプロマシー第11ターン地上戦況表>>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://foxfire8731.blog119.fc2.com/tb.php/1236-bd29db3a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。