銀河帝国

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ガンダムディプロマシー第二十三回「星の屑作戦」(前編)

もはや、誰も驚かなかった。

地球連邦軍がその立場を形ばかり連合側に置き続けながらも、実質的には枢軸側の陣営に組みしているということは宇宙・地球、軍人・一般人問わず周知の事実であったからだ。ルナツーを進発した連合艦隊のうち当然のごとく連邦のそれだけが列を離れていく。

指呼の間で相対するジオン艦隊を率いるギレン・ザビは己の軍勢を連邦の方に近づけ交差するよう指示した。かの者たちの裏切りを明確に敵側に知らせなければならない。宇宙を制圧した後に行われる地上降下時に、彼らが四五分裂していることが最も望ましかった。

ギレンはひとりごちる。

「ゴップはすべてを出し抜いたつもりなのだろうがな。奴が読む百手先より私が読む百一手先の方が勝る」

連邦の大艦隊に動揺は見受けられない。両軍の対峙を尻目に悠々と近地球衛星軌道上へと向かう。

「すべてを手にしようとする者は、すべてを失うのだ」

ギレンは連邦艦隊に手を振り、戦闘指揮所へと向かうことにした。



そして向かい合う連合艦隊の旗艦ジュピトリス。わかってはいたこととはいえ、シロッコは忌々しい眼差しを連邦艦隊の背に向けざるを得ない。

「一体、何をしに宇宙へと上がってきたのだ。アレは」

衛星軌道に新たに打ち上げられるエゥーゴ・ネオジオンの部隊と敵を挟み撃ちにできれば上々と考えていた訳だが、ジオン艦隊に厚く阻まれて断念せざるを得ない。

「正統ジオンの軍が見当たらないようだが…グラナダか。二正面作戦を許すとは甘くみられたものだ」

(連邦艦隊の力があれば)

そう思わざるを得ない。枢軸側へと寝返り、とって返してルナツーへと侵攻するのかと思っていたが、そうでもない。漁夫の利を狙っているのか。物言わぬ連邦艦隊は遠くへと過ぎ去った。ギレンは笑みを浮かべそれを見送ったが、シロッコの方は苦々しくそれを見限り振り返る。

新造の巨大戦艦バーミンガムへと移るべきか。陣形も速やかに組み直さなければ。数での劣勢。広い両翼包囲陣は敷けない。密集陣から後退しつつ半包囲を目論むか…

シロッコの念頭から、既に連邦のことは消えていた。


MAビグザムのコックピット。特大の兵器であるこの暴君の中枢は、ひとりではなく7人もの人員が乗り組んで操作をする。その中央でガトーは己の秘めたる思いとの決別を図っていた。

恐怖である。

誰にも、そして一生明かすことはないだろう。理解もされまい。だが、あのガンダムのパイロットと刃を交え生き残ったわずかな者だけには共有されるであろう圧倒的な感情。原初の恐怖。ガトーであれ例外ではない。あの反応。スピード。正確さ。人間業とはとても思えなかった。MAビグロで出会ったときはただただ逃げることしか叶わなかったのだ。それが成功したのはまさに幸運としか思えない。

しかし、自分は戦士だ。気持ちを落ち着かせる。やるのだ。このビグザムならば。まるで初陣の学徒のような内心の葛藤を、歴戦のガトーは乗り越えなくてはならない。

「諸君」

コックピット中央で声を出すガトーを皆が振り返る。

「この一戦にて公国は宇宙を手にする。ぬかるなよ」

「「はい!」」

手に汗が滲んでいる。



ほどなく交戦が開始される。

アン・ムラサメは宇宙を切り裂いていた。敵には事欠かない。光芒…また一機。

「あの男のプレッシャー!?どこなの?…くっ」

ジュピトリス・ネオジオン艦隊が敷いた厚い密集陣の中央がジオン側のMAビグザムの大型メガ粒子砲にてぶち破られる。それも、一門ではない。

「ダメ、あれをなんとかしないと」

味方のバーミンガムがけし飛んでいる。戦いにならない。シロッコが輸送艦であるジュピトリスを旗艦に選び専用機の開発も遅れている以上、私が止めるしかない。アンは新型のフルバーニアンのスロットルを全開にした。それを遮る黒い影。

「いた!あの男!」

止まらない。止める訳にはいかない。ビグザムの放つ猛烈な弾幕の中アンは複雑な軌道を超高速で行った。無重力で成せる技。人の目に追えるかしら。アンはデカい足の付け根に向けてビームライフルを三射する。

(弾かれた!Iフィールド!)

デカい足の爪が飛んでくる。アンの軌道の先を読んだそれを、ガンダムの上体を反らして躱す。その背中をメガ粒子砲がかすめた。同時に二射を返す。弾かれる。

「一方的に内側からだけ通すなんて!ズルいっ!」

いくつかのアラームが鳴る。酸素!そんなっ!武器は?バルカン?まさか!

ヤケになって狙撃するものの、全くIフィールドを通さない。あの嫌味な男の笑い声が聞こえるようだった。こうしている間にも味方が崩されていく。でもいまはコイツを倒すことだけを!でもどうやって!?破砕したシールドの下半分を投げつける。それは嘲るように蹴飛ばされるのみだった。

「こいつ!」

超高速機動で巨人の周りをぐるぐる回りながら正確にバルカンを当てるが、これはかわされもしない。装甲を撃ち抜くことができないのだ。漏れているフルバーニアンの酸素ゲージの針がみるみると落ちていく。ノーマルスーツのそれだけでは長期間は持たない。逃げた怪盗を照らすサーチライトのように、ビグザムの無数のメガ粒子砲至近に放たれ続ける。そして爪ミサイル。

「そこっ!」

ビグザムの対空ミサイルがIフィールドを越えるその瞬間にアンはミサイルを狙撃しフィールドを干渉させた。その刹那に残弾を全て叩き込む。爆轟。やった!その一瞬のスキに、アンは背中を他の敵に撃たれてしまう。そして眼前でコマのように竜巻悶える巨人の執念の頭突きを受ける。

「こっ」

強烈な衝撃!アンは言葉にならない。

(「諦めるがいい!ガンダムの女パイロット!貴様がどうあがこうが大局の勝負は既についている!」)

「だまれ!放せ!この死に損ない!」

脱出を急ぐ。お互いに銃を構えながら機体を離れる。ジオンの一団の緑色したパイロットたちの中で、ひとり濃紫色の違ったノーマルスーツを着ていた男の顔は、意外に悪くなかった。
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  1. 2013/12/23(月) 20:49:08|
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