銀河帝国

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【WIZ】第十九話「新たな六人組」

落ちた。

「ぐぬぅ…っ…」
アンドリューは落とし穴の下で呻いた。強かに腰を打ってしばらく動けない。

トンズラーはまだ麻痺したままである。(落ちた)

トンズラーを引き摺っていて一緒に落ちたエネフィムは言葉にこそ出さなかったが、落とし穴よりもむしろアンドリューに驚いていた。この人にとっては本当に自分以外のことはどうでもいいのだろうかと。


二つの新たな六人組が同じ地点を目指していた。一つはラリア・レオン・シア・アンディ・レパード・ヴァイオレットの六人。戦僧僧盗魔僧の編成であり、半数が僧侶である。
もう一つはダイトク・リエコ・ヒトミ・サラーフ・ヤマカゼ・ミホのパーティー。戦僧盗僧魔魔という編成で、一人僧侶が魔術師になっているが上のパーティーと似ている。しかしヴァイオレットは冒険の経験が浅く、ラリアたちのパーティーの方が全体的に低レベルといえる。

同じ地点を目指した二つのパーティーだが、たどり着けたのは片方だけだった。

上下に動く鉄張りの部屋。ヒトミがこっそりと「D」のボタンを押そうとしてリエコに後ろ髪を引っ張って阻止され「んがっ」とか言っている。ダイトクたちは気にしないことにした。
ヤマカゼは、興味津々でミホの持っているブラッドストーンを見つめている。
「すごいなー。これどこで手に入るの?」
「知りたい?」
コクコクと頷くヤマカゼ。ダイトクは無表情で話しを聞いており、サラーフは微笑を浮かべつつ静かにうなづいた。

「…教えない」

ズルッ

ヤマカゼが少し派手にずっこける。「えー!なんだよそれー!?」サラーフはまだ口を挟まない。ダイトクは身動ぎしない。

「冗談に決まってるじゃない」

ふとミホとサラーフの視線が絡み合う。お互いに微笑みながら相手を探りあっているのだ。ミホはさらにわずかに口の端を上げると言葉遊びを続けた。

「話してもいいけど、高いわよ」

「えー!!」

ヤマカゼがぴょんと飛び上がった。ふと見るとミホの両脇でやはり微笑むリエコと両手を腰に当てて胸を張るヒトミが立っている。まるで悪役たちの登場シーンのようだ。

「冗談でしたら、そこまでにしていただけませんか?」

か細いサラーフの目がほんの少し開かれる。ヤマカゼは(え?冗談だったの?)とサラーフを見上げてキョトンとしていた。

「フフ…そうね」

ミホは石碑の方を向き、ブラッドストーンを石碑のくぼみに差し込みBの突起を押してサラーフの方を振りかえる。部屋全体が動いているような妙な感覚が全員を襲う。

「封印をほどこせし者…エル'ケブレスのレリーフ。とだけ言っておくわ。」

思わせ振りなミホの言葉にサラーフは思わず目を細めたが、だれひとりそのことに気づいた者はいなかった。

部屋の移動が止まる。
このパーティーは続けて二つの敵の集団に襲われることになる。


ヴァイオレットはドキドキしていた。

無理もない。他のメンバーと違いヴァイオレットは死の罠の地下迷宮に挑むのは初めてのことだった。緊張しない方がおかしいと言えた。だが、彼女はその緊張のためにしゃべり続けてしまっていた。

「あっ、ごめんなさい」

何回目だろう?その都度隣を歩くレパードにたしなめられるのだが、どうしても気づいた時にはなにかを話しているのだ。

「あの、もう少し間隔を狭めて隊列を組んだ方がよろしいのではないでしょうか?それに足元を照らすにも灯りがもっと…」

再びレパードが遮る。

「ヴァイオレット?」

「あっ、ごめんなさい…でも」

たまりかねて前を歩いていたレオンが振り向いた。

「珍しいな!ヴァーレが取り乱すのは。ワシが教会に運びこまれた時以来か?ガハハ!!」
レオンの隣を歩くラリアも足を止め、パーティーはひとまず円陣の形になる。
「心配しなくてもいいですよヴァイオレットさん。まだまだここは地下一階。だいたい探索は終わっていて凶悪な罠はないことはわかっているし、敵も俺一人でも平気なくらいです」
「そーだぜ?このラリア・オーズド様にかかればどんな敵もイチコロさ!腹痛以外はね!」
茶化すアンディ。彼はラリアと同じ村出身の人間の盗賊で、ラリアの弟分といえた。それだけに呼吸を合わせてこの場の空気をほぐそうとしていた。サーファの双子の妹であるシアもくすりと笑う。アンディとシアはあの幽霊と暗闇で戦った時の緊張感を思い出していた。あの時はラリアの余裕に救われたものだ。今度は自分たちの番だ。

ほどなく一行は扉を開け、召喚陣の魔物たちとの戦いとなる。


その部屋。

「誰か来る、ソラ殿」
東国の女戦士、ツバキ・シンジョウは一行のリーダーであるソラ・ミツルギに言った。言うやいなや隙のない戦闘の体制をとっている。これを居合いの術という。
しかし、ソラはその現れた六人組を見るとゆっくりと手を上げて挨拶を交わしその場に座ってしまった。

「ソラ殿!」

「大丈夫だよツバキ。知り合いで、手練れの冒険者パーティーさ。あのリーダーは僕より強い」

「しかし…」

ツバキは自分たちの時と同じように、赤茶けた魔法陣から大量の魔物たちが浮かび上がってくるのを見てやはり戦いの姿勢を崩せなかった。

「いざとなれば私が」

「ツバキ」

ソラはゆっくりと首を振り、ツバキを座らせた。

「よく見ててごらん、これも修行だよ」

ソラたちと共に状況を見ていたガル・サザンテラスもほどなく緊張を解いた。ガルは珍しいドワーフの僧侶だったが、眼前で勇戦するレオンも同じドワーフの僧侶だった。ガルが温和な知恵袋のタイプなら、巨体のレオンはほとんど戦士のようだ。なおこの場にいないノースア・リカーもドワーフ僧侶である。

「圧倒的ですな」

ガルが言い、ツバキもゆっくりと武器を下ろした。ツバキにとり手強かったあのアンデッドコボルドらが前衛だけで簡単に蹴散らされていく。それも、実質ラリアとレオンの二人で次々とだ。

「僕はあの人を越えたい」

ツバキは、幼なじみのソラの横顔をなぜか初めて見る思いにかられた。

幼き日の武術剣術の試合では、いつもツバキの方が勝っていたのだった。
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  1. 2009/09/02(水) 18:30:45|
  2. ワードナ
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