銀河帝国

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【WIZ】第二十九話「湖畔の竜」

狂魔王ツヴェドリ復活す。

その急報は、リルガミン王国の隣国フェールエンを震撼させた。フェールエン全土の大半を問答無用に蹂躙し荒廃させた憎むべき存在が蘇ったというのである。
幸いにもまだ玉座には戻っていないという。だがゼメテル女王はすでに王宮におらず、宰相ゼフロスはかつてツヴェドリの部下だった男である。恐怖の復活はフェールエンでは時間の問題だとされた。騙し討ちの得意なリルガミンの持ちかけた和平など誰も信用しなかった。

『狂魔王の復活を阻止せよ』

フェールエンで当然のごとく上がったその悲鳴に似た声に応じ、リルガミン討伐の軍が編成された。総指揮は庶出ながら君民から愛され軍の信頼もまた厚かった若き王太子ガイシルト・フェールエンが名乗りを上げる。国土の復興に功績のあったガイシルト王子は、その功により他の王位継承を狙う二人からわずかに抜きん出ていた。リルガミン討伐に成功すればその名声は不動となるはずだった。

国境、イルニ湖畔の戦い。

質・量共に優っていた敵将ゴードン・ヴィルトゥ率いるリルガミン軍を、ガイシルトたちフェールエン軍は騎兵をうまく使った戦いで打ち破る。

勢いにのりさらに旧領奪回へと進もうとしたその時…フェールエン軍に暗い影が忍び寄った。

高い木の枝の上から、湖畔の夜営地を見下ろす仮面の男。その肩には小さなトカゲが止まっている。

「やれやれ…こういった仕事は本業ではないのですがね」

フェールエン軍では原因不明の疫病が流行り、イルニ湖畔から進めずにいた。



ダイトク・サラーフ・ヤマカゼ・ミホ・リエコ・ヒトミの六人組。

地味に地下一階のマッピングを続けていた。ヒトミなどは暇で仕方ない。
「すいませんね、付き合わせてしまって」
とはサラーフだ。

とりたてて書くこともない。



再びイルニ湖畔。

正体不明の賊の手により、ガイシルトの副将二人が闇夜に命を…首を落としていた。篝火が焚かれ巡回が強化される中、それを嘲笑うかのように謎の賊が再び現れる。

「急げ!逃すな!」

ガイシルトのテント。慌ただしい喧騒に、一瞬護衛が薄くなる。リルガミンの刺客エルの狙いはそこにあった。

ガキィン!!

「ほう、やりますね」

音もなく忍び寄っての背後からの一撃を、ガイシルトは背に柄ごと剣をやり瞬時に受け止めた。

「今の一撃で、あなたの副官たちは倒れたのですが」

「そうそう同じ手を何度も食うかっ!「敵襲だ!!」」

ファッ…

ガイシルトのその叫びと共に、天幕が四方に下りフェールエン軍の精鋭たちがエルを包囲する形で姿を現した。

「観念しろ!仮面の男よ!」

漆黒の道化師。彼の手には先に珠のついたバトンが握られている。

「このようなシチュエーションで…むしろ捕まる方が珍しいと思うのですがね…」

「なんだと!」

エルは肩に止まるトカゲのリボンをほどく。

…クェェェッ…グォォォォッ!!

見る間にそのトカゲは鈍い白黄色の巨大な竜となり湖畔にその美麗な姿を現した。

「ブラスドラゴンだと…クッ」

再びエルとガイシルトとの刃が交わる。いかなる技なのか、エルが距離を詰めるのは一瞬だった。二撃、三撃、四撃…しかし驚いたのはエルの方だった。剣劇の合間、加勢したフェールエン兵を切り裂く少しの間にガイシルトが唱えた風刃(ロルト)の魔法が道化師をまともに捕える。仮面の下半分が切り取られ、黒の衣装もズタズタになってしまった。

「まさかここまでできるとは…今のは効きました。終わりにさせていただきましょう」

エルの跳躍。ガイシルトがそれに構えた時、頭上からブラスドラゴンのブレスが彼を襲った。

「…………!!」

叫び声は灼熱の轟音にかき消され聞こえない。

それでもなおガイシルトはエルのロッドを受け止めたのだが、見えない刃はガイシルトの右肩に届いていた。

「インビジブルブレード…これでおあいこです。…おや?」

エルはガイシルトを組み敷いている。

「あなた…双子の兄か誰かいませんか?…ウルフとか何とかいう。こう、顔に傷があり寡黙な感じの」

死を覚悟していたガイシルトは、呻きながら答える。
「ウルフェン兄を知っているのかっ…ぐっ」

フェールエン兵の矢がエルへと飛ぶ。エルはそれを避けず、左手を上げて受け止めた。手首と肘の中程の所に矢が食い込む。エルはそれを引き抜くと、ガイシルトに先を促した。ガイシルトの顔に赤い血が落ちる。

「私が幼い頃に行方不明となったが…もはや皆死んだと思っている…ぐぅっ!」

エルは鎧の継ぎ目深くに見えない刃を突き入れた。


「それだけ聞けば十分ですよ…気が変わりました。あなたのお兄様に免じて生かしてあげましょう。軍はズタズタあなたは大怪我。致命にならないように加減しましたから今日の所は国にお帰りなさい。狂魔王のことはあなたのお兄様たちがなんとかしてくれますよ…きっとね…行きますよ、(ピー)君!」

竜と仮面の男は、来た時と同様音もなく闇夜に姿を消した。
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  1. 2009/11/10(火) 20:53:24|
  2. ワードナ
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