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ケインズといえば財政出動、というイメージがあります。
間違ってはいないと思いますが、全く正しいのかも疑問です。確かにその処方箋を提示したユーモア好きの天才だとは思います。
しかし、このイギリスが生んだ天才経済学者は、戦時における臨時公債の代わりに、強制貯蓄を提案した人物でもあるのです。政府はその集めた貯蓄を運用し戦後に割り戻すらしいのですが、(すいません、もしかしたら間違ってるかも)貨幣量をコントロールして戦時の好況を防ぎ戦後の不況を減殺しようと考えたようでもあります。実行されていないようですからなにがしかの問題点があったのかもしれません。しかし、ケインズは主著「一般理論」の中で
『貯蓄=投資』
という図式を提示している人物でもあるのです。(記述に不明瞭な感もありましたが)貯蓄を批判しながらも、投資も『美人コンテストの一位を当てる遊び』とからかっていたりします。そして非自発的雇用の改善を訴えています。
また、ケインズは、第一次大戦後にワイマールドイツに課せられた賠償金が過大であり、ドイツの返済能力を超えており、結果的に戦勝国が不利益を被るとしてその試算を挙げて、ヴェルサイユ条約体制に異論を唱えた人物でもあります。
どうも、アダム・スミスの『見えない手』(自由貿易・市場主義)といいケインズの財政出動といい、本人たちの想定を越えたいき過ぎた用いられ方をしている気がしてなりません。前者は確かに国際経済を活性化させるものの世界恐慌をも生みかねず、後者は確かに恐慌や不況に対する処方箋でありましょうが財政赤字を生みケインズ反革命を生みました。
『不況はいつも三年から五年ほどであり、短すぎも長すぎもしない』
ケインズのこういった言葉は、不況→財政出動 により即時景気回復をとはいかない、いくべきでないともとれる気がします。『限界効用』(好況不況と上下に振れるヨーヨーのヒモの存在のことか)なるもの主張についても、そう受け取りました。
財政出動なる処方箋。
しかし投薬なしで済むのなら、それに越したことはない。『強制貯蓄』案はケインズがその可能性を模索したのではないでしょうか。
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- 2010/01/25(月) 01:21:57|
- 経済
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